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PVeye 2012年5月号

特集「算定委員会の決意 着工延期を迫られるメガソーラー 原子力安全・保安院と電力会社が受付拒否」

特集/全量買取り制度の価格決定機関“算定委員会の決意”
インタビュー/植田和弘氏・和田武氏・山内弘隆氏・辰巳菊子氏
ニュース/独Qセルズ破綻の真相・独FIT大改定案・住宅用補助金
データ/世界市況・太陽電池モジュール国内販売量推移・2011年ポリシリコン生産能力ランキング・国内の主なメガソーラー計画

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 4月中旬の夕暮れ時、大手EPC(設計・調達・建設)の幹部から1本の電話が入った。「メガソーラー建設のため、経産省の保安監督部に工事計画書を申請しても相次ぎ受付拒否される。電力会社との系統連系も進まず、もう滅茶苦茶だ」。
 そう語った彼の焦燥感は携帯越しでも充分に伝わった。買取り価格と期間決定に向け、調達価格等算定委員会の審議が終局に近づくにつれ、市場はますます混迷の色合いを強めているからだ。・・・

インタビュー

「再生可能エネルギーの発展は産業革命に匹敵する」

植田和弘 京都大学大学院経済学研究科 教授

「住民主体でなければ再エネ普及も地域発展もない」

和田武 日本環境学会 会長

「規模の経済がない太陽光発電で価格の細分化は難しい」

山内弘隆 一橋大学大学院商学研究科 教授

「利益追求が目的だけの制度にはなって欲しくない」

辰巳菊子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事 環境委員長

  • 算定委員会の決意
  • 「再生可能エネルギーの発展は産業革命に匹敵する」
  • 「住民主体でなければ再エネ普及も地域発展もない」

eye sight6~13

(1)独Qセルズ破綻 価格競争脱落

中国勢、軒並み赤字 米ファーストソーラー、2千人リストラ

 製品の価格競争が熾烈さを極め、太陽電池セル・モジュール企業の収益が悪化の一途を辿っている。採算度外視の値下げバトルは、まるで生死をかけた"デスマッチ"の様相だ。もはや体力勝負に突入しており、セル・モジュール事業で赤字を計上しても、補填できる事業収益や蓄えがあるか、否かが勝敗を決する。それだけに、この数年で急成長を遂げたセル・モジュール専業ベンチャーは危殆に瀕しているのであるが、この惨状を象徴する出来事が4月2日に起こった。かつて世界トップに君臨した独Qセルズの経営破綻だ。11年からPV企業の戦線離脱が後を絶たないが、とりわけ同社の倒産は世界に衝撃を与えた。

(2)独タリフ大改定案 緩和修正で下院通過

 ドイツ連邦議会(下院)は3月29日、太陽光発電の買取り価格を大幅に引き下げるEEG(再生可能エネルギー法)の改正案を賛成多数で可決した。ドイツ環境省が2月に太陽光発電の導入引き締めを目的に提出した異例の改正案は一部緩和されたが、4月1日以降に導入した太陽光発電設備は買取り価格が約20~30%引き下げられる。5月以降、買取り価格は月次で減額され、出力10MWを超える太陽光発電所は買取りの対象外となる。

(3)システム単価35万円目指す住宅用補助制度

 09年の開始から5年で役目を終えることが規定された住宅用太陽光発電システム導入支援補助金の12年度概要が発表された。

(4)愛媛でモジュール50MW生産へ

 国内の太陽電池モジュール生産の収益悪化が取り沙汰されているなか、今年5月から愛媛県松山市で新たにモジュール生産が開始される。住宅用太陽光発電システムの施工国内最大手、ウエストホールディングス(広島市西区、吉川隆会長)と台湾の太陽電池ウエハメーカー、エバーソル(台北市、郭彦辰会長)による共同事業だ。総投資額は約7億円。太陽電池セルをエバーソルが供給し、愛媛でモジュールを生産、ウエストが販売する。

  • eye sight
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Eye Catch英弘精機

 日射計国内最大手の英弘精機(東京都渋谷区、長谷川壽一社長)は、今年7月より運用が始まるFIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)を睨んでメガソーラー向けの新事業を立ち上げた。2月末に開発したメガソーラー故障診断システムの発売を機に、EPC(設計・調達・建設)企業らと提携して、メンテナンス管理やメガソーラーの建設候補地の評価を行う。計測器の製販からコンサルティング業務まで事業領域を拡げる構えだ。

World Watch14~17

日本 ソーラーフロンティア、EPC大手ベレクトリックと合弁
タイ バンコクソーラー、11年薄膜シリコン20MW出荷
スペイン シリケン、モジュール販売で日本進出
台湾 TSEC、12年セル出荷400MWへ
ジンテック、11年セル出荷、微増の873MW
AUO、PV事業、ブランド名変更

  • World Watch

Professional Vision30~33

「新エネ推進に舵 PVは全社的戦略事業」

入谷孝裕 鈴与商事 社長

 Jリーグ1部、清水エスパルスのスポンサーとしても知られる鈴与グループは、企業数150社、年商6500億円の静岡を拠点とする一大企業グループだ。このうち46社、売上規模3800億円を占める商流事業の先頭に立つのが鈴与商事である。2011年6月に太陽光発電商社の新興マタイを傘下に収め、新エネルギー事業を推進している。化石燃料販売を主体としてきた同社にとって新エネとは、そしてPVとは。

「7月から施工体制確立 産業用架台量産化へ」

杉山髙広 新興マタイ 社長

 住宅用太陽光発電システムの卸販売で業績を伸ばしてきた新興マタイ。鈴与グループ傘下に入り、さらなる成長を目指す。では、FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)導入で産業用PV市場の拡大が見込まれる2012年、経営トップの杉山髙広社長はいかなる新政略を描いているのだろうか。

  • Professional Vision
  • Professional Vision

Topics

米製フレキモジュール日本で開花!?

建材一体型で先行するオー・ジー CBCはメーカー志向

Voice Eye

世界が唱えたPVの可能性

「FITは技術革新とコスト削減の新しい推進力」

クリストファー・オブライエン American Council On Renewable Energy(ACORE) 委員会メンバー

「高効率かつ低価格の消費者ニーズを満たす」

潘文輝 ジンテックエナジー 総経理兼COO

  • Voice Eye

Eye-tech50~51

モジュール劣化現象を解明

原因は、酸素、有機物、光がつくる"強酸化力"
柳田祥三 大阪大学名誉教授

 今、太陽電池モジュールの耐久性が危ぶまれている。数年でホットスポットが発生し、発電量が低下するという問題だ。メーカー各社は10年保証をうたい、保証期間内であれば無償で交換するなどして対応しているが、いまだ抜本的解決には至っていない。この課題解明に、色素増感太陽電池の大家で、大阪大学名誉教授の柳田祥三氏が力を入れている。モジュール耐久性問題は、産業技術総合研究所の加藤和彦氏の事例研究が知られているが、柳田氏は化学的見地から劣化のメカニズムを分析する。

  • Eye-tech

インサイドニュース37~45

ユニパー、産業用PVパネルリフト開発へ
横浜環境デザイン、陸屋根架台メーカーに続々採用
多摩川HD、中GPPVと国内総代理店契約
アベルコ、PV施工研修開始へ
インリー・グリーンエナジーJ、設立式典開催
東光電気工事、石巻に10MWソーラー発電所開発
西松建設、今期30MW受注目指す
富士電機、セルにシフト アライアンスで用途拡大
グリーンテック、今期売上1.5倍増150億円見込み
クレアHD、韓モジュール3社とOEM契約
ケイアンドエム、3月期売上10.5億円
ネミー、7月期モジュール販売5MW見込み
メディアモバイル、PV見積りソフト100台販売
テス・エンジニアリング、オーナンバと合弁会社設立
スカイベースエナジー、住宅用PV販社設立
伊藤組モテック、モジュール出荷20MWへ
岡田電気産業、販売店会 会員670社に

  • インサイドニュース
  • インサイドニュース

現場の力 匠の技54

「見積もり、雨漏り、客先回り」

広田直樹 ヒロトモエナジー 代表取締役社長

 FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)運用を前に活気づく国内の産業用太陽光発電市場であるが、価格競争が先行して、品質がお座なりになる懸念もある。この状況下、今年2月、兵庫県尼崎市のSI(システムインテグレーション)企業が、国際認証機関のテュフ・ラインランドから施工品質を評価され、国内で初めて企業認証を取得した。広田直樹氏率いるヒロトモエナジーである。同社の"施工力"を探った。

  • 現場の力 匠の技

新製品 Products Review52~53

1)デルタ電子、屋外型4.0kWパワコン
2)LS産電、屋外型住宅パワコン
3)サンパワー・ジャパン、世界最高効率モジュール
4)エスパワー、単結晶型・モノライク型モジュール

  • 新製品 Products Review

MARKER&DATA46~49

・世界市況データ
・太陽電池モジュール国内生産量・在庫量推移
・太陽電池モジュール国内販売量推移
・2011年ポリシリコン生産能力ランキング
・国内の主なメガソーラー計画

  • MARKER&DATA

発刊日 2012年04月25日
定価 1,944円
コード ISBN 978-4-9906365-1-7 C2405 \1800E

PVeye 2024年4月号

安定成長に漂う不透明感 オンサイト太陽光最前線

発刊日:
2024年03月25日
定価:
1,980円

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PVeye 2024年3月号

過熱する開発競争 蓄電池ビジネスの全貌

発刊日:
2024年02月24日
定価:
1,980円

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PVeye 2024年2月号

再生可能エネルギー 市場別分析2024

発刊日:
2024年01月25日
定価:
1,980円

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PVeye 2024年1月号

飛躍の年になるか 再エネ大予測2024

発刊日:
2023年12月25日
定価:
1,980円

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PVeye 2023年12月号

低位安定市場に光明 住宅再エネリバイバル

発刊日:
2023年11月25日
定価:
1,980円

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