施工性が劇的に改善! 傾斜地用架台の常識を打ち破ったLIXILの技術力

2017.03.01

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 住設・建材大手のLIXILグループが、昨春製品化した傾斜地用架台が人気を博している。一般の傾斜地用架台は、基礎の位置出しに時間がかかり、作業が煩雑になるが、同社は新しい仕組みを導入して施工性を劇的に改善させた。一体どのような架台なのか。

 適地が減少し、山間部に太陽光発電所を建設する機会が増えているが、山を切り崩して開発するのはナンセンスだ。極力土地を造成せずに、傾斜面を活かした発電所づくりを模索したい。そこで、架台メーカーが開発したのが、太陽光パネルの角度を東西南北に調整できる傾斜地用架台だった。
 だが、その傾斜地用架台、施工業者の間では評判がよくない。架台上部で角度調整する仕組みゆえ、架台の支柱を地平面に対して直角に立てる必要があり、基礎の位置出しが難しいのだ。
 斜面は、東西方向だけでなく、南北方向にも傾いている。その傾斜面のうえに、地平面に対して垂直に立てる支柱の位置を決めることになるため、微妙な傾斜によって生じる細かい基礎位置のズレも考慮に入れなければならない。実際、現場では、あたりをつけて基礎を打ち、調整幅を設けながら、架台を組み立てていくほかに方法がなく、膨大な時間がかかる。
 それだけに、施工業者からは、「傾斜地用架台を使うと施工費がいくらになるのか見当がつかない」、「いっそ土地を造成した方が安くつくのでは」と、不満の声が上がっている。
 しかし、この課題を、アルミ架台メーカーのLIXILエナジーが解消した。同社の傾斜地用架台は、基礎との接合部に近い支柱の足が一方向に傾いて角度調整する仕組みになっており、支柱は、地平面に対してではなく、斜面に対して直角に立てる。ゆえに、斜面が東西南北にどう傾こうとも、斜面に対して直角に立てる支柱の位置出しをすればよく、設置が簡単なのだ。
 同社の福島恭輔社長は、「当社の傾斜地用架台を採用いただいたEPC(設計・調達・建設)さんからは、平地に架台を設置する場合と作業時間がほとんど変わらないと、評価をいただいています」と胸を張る。

アルミ加工50年の研鑚

 LIXILエナジーの架台は、先の傾斜地用架台も人気だが、一般の野立て用架台も品質面で定評がある。とくに、改正FIT法が成立し、経済産業省が架台の品質を厳しくチェックするようになってからは、同社の架台を採用する発電事業者が急増している。大型案件の受注を多数獲得した同社は、昨年4月から生産を本格化。2016年度は300MWの出荷を見込んでいる。
 なぜLIXILは架台の製造・販売で成功したのか。
 LIXILが太陽光発電用架台の製造に着手したのは12年だ。FIT制度を活用して自社工場にメガソーラーを建設する機会を得て、架台を自社開発したのが最初だった。13年4月にはLIXILエナジーを発足し、架台の外販を始めたが、当初は低圧太陽光発電所向けが中心だった。それでも着々と実績を重ねるうちに、徐々に大型案件に採用されるようになり、今ではメガソーラー用架台の主力メーカーとして一定の地位を築きつつある。
 では、技術力、生産力はどのように高めてきたのだろうか。福島社長は、「当グループの母体のひとつ、旧トステムは、アルミサッシのトップメーカーでした。当社にはアルミ建材において52年の歴史があります。この長い経験で培った技術を活かして架台を開発し、自社のアルミ工場で生産しています」と答え、こう続けた。
 「当社の特長のひとつに、商品ごとの施工マニュアルの充実と施工計画チームの存在があります。施工前の搬入方法や納品後の組み立て方を説明するなど、ソフト面も充実させています。その結果、簡単に施工できるメリットを感じていただき、リピート受注に繋がっていると感じています」。
 同社の架台は、アルミの鋳造から始まり、ビレットの製造、押し出し成型、表面処理、加工を経て生産されている。とくに表面処理は高品質で、営業サポートチームの栗田伸一TLは、「屋外仕様品の表面処理にはJIS規格でA1種、A2種、B種とランクがあり、B種を選択されているところが多いのですが、当社はA2種が標準。要望があれば最上位のA1種を使用することもあります」と説明する。
 むろん、強度も万全だ。机上の設計で作成した構造計算書で架台の強度を担保するメーカーが大半だが、同社は自社の試験所で実機の破壊試験を実施し、接合部の強度まで細かく検査する。現在は構造設計一級建築士による構造計算書を案件ごとに無料で提供している。
 LIXILの架台事業。急成長を可能ならしめたのは、半世紀以上に亘って築き上げたアルミ建材の製造技術と生産体制に違いないが、さらに源泉を辿れば、確固とした「品質第一」の製造理念が存在する。これを機にLIXILの架台を試してみてはいかがだろうか。

LIXILエナジー株式会社
〒136-8535東京都江東区大島2-1-1LIXILWINGビル
tel.03-3638-6248(担当:芦田)
http://www.lixil-energy.co.jp/r

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