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新型肺炎 太陽光業界にも影響じわり

猛威を振るう新型コロナウイルスによる肺炎。日本の太陽光関連業界にも影響が出始めた。(本誌・楓崇志)

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が中国を中心に世界へ広がり、2月18日現在、感染者数は7万3000人を超え、死者は1870人にのぼっている。日本でも豪華客船での集団感染や経路不明の感染者が発生するなど終息する気配はない。

太陽光発電業界は、太陽光パネルやPCS(パワーコンディショナ)、架台などの生産の多くを中国に依存している。中国湖北省とともに入国制限している浙江省には、太陽光パネル大手の工場などがあるだけに、影響が懸念される。

実際、国内PCSメーカーの担当者が「機器の出荷は遅れていないものの、ある大規模太陽光発電所では中国から架台が届かず、作業がストップしていると聞いた」と言えば、低圧太陽光発電所の開発業者は「3月までは在庫があるが、4月以降の調達が見通せない。工期が遅れるかもしれない」と不安を募らせる。

中国では春節による休日が延長されたものの、一部の工場はすでに稼働している。現時点で供給面の影響は限定的なようだが、政府による外出禁止や部材不足などのため、早くとも3月中旬まで再開の見通しが立たない架台メーカーもあるという。日本では年内に運転開始期限を迎えるFIT開発案件も多く、建設のピークを迎えるだけに予断を許さない状況だ。

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