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NTTスマイル、事業戦略発表会

累計設置量1.2GWに

事業戦略発表会の様子。小鶴社長自ら説明した

遠隔監視サービス大手のNTTスマイルエナジー(大阪市中央区、小鶴慎吾社長)は11月14日に事業戦略発表会を開催、累計設置量が1.2GWに達したことを明らかにした。今後はVPP(仮想発電所)関連事業やプラットフォーム提供、AI(人工知能)機能の搭載などを進めていく。

同社は2011年11月より太陽光発電向け遠隔監視サービス『エコめがね』の提供を開始、住宅用や50kW未満の低圧発電所で採用されてきた。累計設置量は昨年11月に1GWを突破してから1年で200MW伸ばし、1.2GWに到達した。販売会社数は約2500社に及ぶという。

事業戦略説明会では、ここ1年の取組み状況や今後の事業方針などを説明。低圧O&M(管理・保守)に関連した不具合事例や住宅用太陽光の第三者保有モデルにおける活用例、VPPや出力制御に関する取組みを紹介した。

VPPについては、昨年度より経済産業省の実証事業に参加。昨年度はシステム開発とモニター募集・施工に加え、10秒で1000台の蓄電池に対して充放電制御を行う性能を確認した。今年度は実証エリアを拡大しつつ、親アグリゲータや送配電事業者など上位系統との連携も実施している。

また同社は、みんな電力及び柴田工業と共同で、学校屋上に設置した太陽光発電設備の電気を一般消費者に提供する『学校応援でんき』を大阪府高槻市で開始すると11月1日に発表済み。小鶴慎吾社長は「再エネと人や企業とをつなぐ取組みを『スマイルリング』ブランドとして提供したい。『学校応援でんき』はその第1弾となる」と説明した。

NTTスマイルは『学校応援でんき』において、発電データ計測や電気の集約などのプラットフォームを提供しているが、今後はNTTスマイルが屋根借り発電事業者となる形の『学校PV』も提供していく方針だ。小鶴社長は「学校屋上への太陽光発電の設置は災害時の避難所の自立電源確保に繋がる。ただ、予算確保や資金調達の難しさなどから設置できないケースも多い。そこで当社が事業主になり、導入を促進していきたい」とした。

その他、今後の事業展開については、Jクレジットなどの環境価値の集約・流通・還元事業を進めていくほか、蓄電池の充放電方法などを最適制御するAIや、同一エリア内で電力融通できるP2P(ピア・トゥ・ピア)電力流通基盤も開発中。小鶴社長は、「来年度中にもAIを『エコめがね』のクラウド側に実装できれば」と意気込んだ。

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