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日本コムダック、EPC事業強化

地上設置型架台の専用金具も開発

同社が開発した金具「カンロク」を使用した発電所。

太陽光のEPC(設計・調達・建設)を手掛ける日本コムダック(大阪市淀川区、毛利隆一社長)は、『鋼管トラス架台』を用いた地上設置型の太陽光発電所の提案を強めている。昨年8月には、施工性を向上させたモジュールと鋼管を接続する金具を開発、建設コンサルタントとして培った経験を活かしつつ、実績を伸ばしている。

同社は、建設コンサルタントとして2000年に設立。11年にSES(ソーシャルエナジーシステム)室を立ち上げ、太陽光関連事業に進出、12年にはSES事業部に改組し、太陽光のEPC事業を本格化させた。

同社は、地上設置型の発電所に対し、溶融亜鉛めっき製鋼管を用いた『鋼管トラス架台』を提案。基礎は打ち込み式と根巻コンクリート式に対応している。12年10月には、第1号案件として大阪にて48kW低圧発電所を設置。13年12月には、島根で総容量1.99MWのメガソーラーを完成させるなど、14年3月までの累計実績は7MWに達している。

毛利隆一社長は、「当初は屋根上だったが、今は地上設置型の需要が急増している。土木系の建設コンサルを手掛けてきた当社にとっては、得意分野でもある。より特色を出すべく、平地以外の斜面にも柔軟に対応できる『鋼管トラス架台』を中心に事業展開を進めている。最大40度の斜面に設置したこともある」と話す。

一方、SES事業部の小野秀一事業部長はEPCとしての強みについて、「架台設計であればトラス橋の構造計算、対グランドであれば造成や地盤改良、土質のジャッジなど、これまで培ってきた経験やノウハウを活かしている」と述べる。

昨年8月には、モジュールと鋼管を接続する金具を開発。モジュール前面用と背面用の2種類あり、これまでの販売数は金具のみの販売も含め、5千個以上に及ぶ。「この金具は、現場の声を取り入れて開発したもの。ボルト締めをし易くするなどして、施工性を向上させた。土木関係で事業を手掛けてきたこともあり、引張強度にも拘った」(小野事業部長)。引張強度は背面用が2.8kN(降伏強度)及び5.2kN(最大強度)、前面用が2.7降伏強度)及び7.4kN(最大強度)である。

毛利社長は、「架台は常に自然環境に晒されているもの。経年で歪みが生じる可能性もあり、20年間耐え得る設計が必要だ。これまで培った設計力を活かし、提案を強めていきたい」と語った。

(左)小野秀一事業部長 (右)毛利隆一社長

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