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東洋製罐、外資系パネルベンチャーに出資

フレキシブルパネル製品化へ

東洋製罐グループHDが開発したフィルムを用いたフレキシブル型太陽光パネル

包装容器製造大手の東洋製罐グループホールディングスは2025年4月23日、ベルギーの太陽光パネルベンチャーに出資したと発表した。自社開発のフィルムを用いたフレキシブル型太陽光パネルの製品化を目指す。

同社は25年4月付けでフレキシブル型CIGSパネルを製造するベルギーのエンフォイルBVに対する出資手続きを完了した。出資金額は約1.1億円で、主要株主となった。

東洋製罐グループHDは25年3月から独自に開発したフィルムをエンフォイルBVに供給しており、今回の出資を機に両社でフレキシブル型CIGSパネルの製品化を進めていく。

同社の小賦雄介新規事業推進室長は、「当社が開発したフィルムは防水性と柔軟性に優れている。当社のフィルムを使ってエンフォイルBVが生産すれば、変換効率16~17%、㎡あたり1.5kg未満と軽い太陽光パネルを量産できるはずだ」とし、「欧州ではフレキシブルパネルが注目されている。一定の需要が見込めそうだ」と語る。

東洋製罐グループHDは25年5月、フレキシブルパネルを用いた実証試験を始めた。子会社の東洋メビウスが所有する物流用トラック3台の荷台に、それぞれ出力250Wのフレキシブル型CIGSパネル2枚を設置し、再生可能エネルギー電力で燃費の向上を図る想定だ。

同社新規事業推進室ジェネラルマネージャーの林賢治機能材料グループリーダーは、「車両に設置して効果があれば、運輸部門の脱炭素化に繋がる。実証試験では費用対効果も検証していきたい」と話す。

東洋製罐グループHDは子会社の子東洋メビウスと共にフレキシブル型パネルを用いた実証試験を開始した。燃費の向上を図っていく

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