リクシル、ロールスクリーン状の室内用太陽光発電設備発売へ
リクシルLHT技術研究所の石井久史主任研究員
建材大手のリクシルは、屋内の窓に設置するロールスクリーン状の太陽光発電設備を開発し、2025年6月にも受注を開始する。まずは関東地方の自治体や民間企業に提案していく構えである。
同社は、窓の内側に取り付ける巻き上げ式のロールスクリーンに薄膜シリコン太陽電池を挟み込んだ室内用の太陽光発電設備を製品化した。出力100W程度だが、1枚あたりスマートフォン約9台に給電できるほどの発電量が得られるようにして、下部にUSBポートを設けた。施工に際しては電気工事が不要で、窓の内側に簡単に後付けできるという。
同社LHT技術研究所の石井久史主任研究員は、「断熱性や遮光性もあり、省エネルギー化にも繋がる」とし、「受注生産方式なので、幅600mmから1100mmまで、高さは2500mm程までであれば、要望に応じて寸法を調整する」という。
同社はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受け、22年から実証試験を進めた。24年3月には福岡県宗像市と協定を結び、市内の公共施設3ヵ所で実証試験を実施したほか、三重県と千葉県の社屋に導入し、発電性能や利便性などを検証した。
同社の石井主任研究員は、「新製品は非常時のBCP(事業継続計画)対策にもなる。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化にも利用できるはずだ」と話す。
なお、製品は布地素材と半透明素材の2種類。施工は子会社のリクシルリニューアルが請け負う。
リクシルは屋内のロールスクリーン状の太陽光発電設備2種類を販売する。左から半透明仕様品と布地仕様品