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東北大、廃パネル材からSiC生産へ

住商と実証事業開始

東北大学大学院工学研究科応用科学専攻の福島潤助教の研究チームはこのほど、住友商事と廃棄パネルなどのシリコン材から炭化ケイ素(SiC、シリコンカーバイド)を生産する実証事業を始めた。次世代パワー半導体材料として注目されている炭化ケイ素の新技術の実用化を目指す。

東北大の福島助教らは22年頃、シリコンウエハの製造過程で排出されるシリコンの廃材と二酸化炭素から炭化ケイ素を生成する技術を開発した。今回は住商と連携して廃棄パネルのシリコン材から炭化ケイ素を生産する製法の確立を目指す。

25年4月から28年3月まで、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業として広島県大崎上島町内の中国電力大崎発電所内で実証試験を行う。東北大は炭化ケイ素の製法の開発や評価・検証を行い、住商は原料のシリコンなどの調達を担う。

東北大の福島助教は、「炭化ケイ素は次世代パワー半導体材料だけでなく、低純度品はセラミックや耐火物としても使用されている。連続炉を用いて様々な炭化ケイ素を生産できる体制を築きたい」と意気込む。

炭化ケイ素粉末

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