新出光 オンサイトPPA40MW突破
石油・ガス販売大手の新出光(福岡市、出光泰典社長)は2025年5月27日、オンサイトPPA(電力売買契約)の契約量が稼働ベースで40MWを超えたと発表した。『RE100』加盟企業や脱炭素経営を実践する企業などを中心に契約を伸ばしている。
同社は18年にオンサイトPPA事業を開始すると、年々PPAの契約量を伸ばした。25年3月期は単年で前期比23.2%増の17.5MWに及ぶ契約を積み増し、25年5月末時点で契約量は稼働ベースで計167ヵ所、41.8MWに達した。
同社は、EPC(設計・調達・建設)子会社の新出光ファシリティーズを含めたEPC企業6社と連携し、オンサイトPPAを全国で展開している。設置容量150kW以上を対象としつつ、顧客の要望に応じて契約期間を短縮する場合もあるようだ。
同社電力事業部電力事業課PPA推進チームの有吉秀騎課長代理は、「顧客の要望で15年以下の契約を結ぶこともある。当社は電力小売りも手掛けているので、再生可能エネルギー電力プランも提供できる」と述べる。
最近では、エア・ウォーター物流が千葉市内に新設した物流拠点で、25年3月に太陽光発電設備を稼働させた。新出光は直流出力約347kW、交流出力200kWの屋根上太陽光発電設備を設置し、オンサイトPPAで再エネ電力を販売している。
新出光の有吉課長代理は、「エネルギーの総合会社として継続的にオンサイトPPAの受託量を伸ばしたい。27年度末までに100MWの保有を目指す」と意気込む。
なお、同社は25年3月、系統用蓄電事業に参入すると発表した。熊本県長洲町内でレドックスフロー蓄電設備を用いた系統用蓄電所を開発・保有し、26年11月の稼働を目指す。運用は電源開発に委託する予定だ。
新出光は、オンサイトPPAの契約量が稼働ベースで40MWを越えた。写真はエア・ウォーター物流が保有する施設に設置した太陽光発電設備