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中国パネル大手、25年上期も軒並み赤字

中国国内の株式市場に上場する太陽光パネル世界大手らが2025年8月末に25年上期(1~6月)決算を発表した。多くが黒字転換を果たせなかった。供給過剰などによる苦境が続いているようだ。

中国の太陽光パネル大手は年間出荷量が50GWを優に超えるまでに成長したが、その多くのここ最近の経営状況は順調ではない。事実、24年の通期決算では太陽光パネルの供給過剰に伴う販売価格下落の影響を受け、多くの太陽光パネル大手が赤字転落を余儀なくされた。そのうち太陽光パネル出荷量の上位5社はいずれも中国の株式市場に上場しており、25年8月末までに上期決算を公表したが、5社全てが最終赤字だった。

大手5社の25年上期の最終赤字額を見ると、ジンコソーラーが29億8百万人民元(約581億円)、ロンジ・グリーンエナジーが25億69百万人民元(約513億円)、JAソーラーが25億8千万人民元(約516億円)、トリナ・ソーラーが29億17百万人民元(約583億円)、トンウェイが49億55百万人民元(約991億円)だった。いずれも第1四半期(1~3月)決算から赤字額が膨らんでおり、第2四半期(4~6月)単体でも黒字化できなかったようだ。

とはいえ、25年上期にはジンコが41.84GW、ロンジが39.57GW、トリナが32GW、トンウェイが24.52GWの太陽光パネルを出荷。JAもセルを含めて33.79GWの出荷実績を上げていることから、5社ともにパネル販売は好調を維持しているようだ。

もっとも、中国に主要な生産拠点を持つ太陽光パネルメーカーが全て赤字に苦しんでいるわけではない。カナディアン・ソーラーグループの製造子会社で中国の株式市場に上場しているCSIソーラーは24年通期に続き、25年上期決算でも最終黒字を堅持したほか、バックコンタクトパネルに特化しているアイコソーラーは25年上期の赤字額が25年第1四半期から縮小しており、第2四半期単体では黒字化を果たしたようだ。

ただ、それ以外の大手についても下期以降の経営状況は改善されるかもしれない。というのも、中国政府の指導などもあって、太陽光パネルメーカー各社は販売価格の値上げに乗り出しているからだ。日本国内でも10~30%程度の価格上昇が見込まれており、すでに一部では新価格の適用が始まっているようだ。

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