奥村組、太陽光パネル搭載遮水シートの実証開始
防災と脱炭素化の両立へ
中堅ゼネコンの奥村組は2025年12月17日、岩手大学と太陽光パネル搭載遮水シートの実証試験を始めたと発表した。防災と脱炭素化を両立できる製品として、施工方法や耐久性、防災効果などを検証していく。
同社はこのほど、茨城県つくば市の技術研究所にて軽量な太陽光パネルを搭載した遮水シートの実証を開始した。これは岩手大学理工学部の大河原正文教授が考案したもので、地滑りなどの斜面災害の原因となり得る雨水の浸透による地盤強度の低下を防ぎつつ、再生可能エネルギー電力も生み出せるという遮水機能と発電機能を併せ持った製品である。
同社投資開発事業本部の大矢好洋新事業開発課長は、「斜面災害の原因が降雨であることは多いが、地盤への降雨の浸透を防ぐ対策が取られていることは少ない。遮水シートはその対策となり得るが、導入費が割高になる。そこに太陽光パネルを搭載すれば、経済性を高めつつ、防災と脱炭素化の2つの社会課題の解決に繋げられる可能性がある」と語る。
防災目的で斜面の上に設置するため、搭載する太陽光パネルも軽くなくてはならない。今回の実証では、SOEL製の結晶シリコン系フレキシブルパネルとマクニカから調達したフィルム型ペロブスカイト太陽電池を採用。技術研究所内に模擬盛土を作成し、25年9月から実証に着手した。
遮水シートは汎用品を採用しているが、大矢課長は、「太陽光パネルとの一体型にするため、選定時には熱膨張係数や耐久年数も考慮した」とも明かす。
実証では、シートを設置していない模擬盛土とも比較しながら、発電性能や防災性、施工方法、耐久性などを評価・検証する。生み出した再エネ電力は隣接する実験用施設で使用していく予定だ。

奥村組は岩手大学と共同で太陽光パネル搭載遮水シートの実証を開始した

