住友電工、家庭用蓄電池を発売 太陽電池との連携可能

2015.06.10

PVeye

 電線国内大手の住友電気工業(大阪市中央区、松本正義社長)は6月10日、家庭用蓄電池を新たに発売した。従来品に比べ充放電に伴うエネルギーロスを低減し、電気代の削減につなげる。太陽電池との連携も可能で、非常用電源としても使用できる。
 発売した『パワーデポⅡ』は、リチウムイオン電池とインバータを内蔵した室内用の蓄電池。充放電容量は2.9kWh、出力は1kWである。家庭用のコンセントに接続するだけで充電でき、設置工事が不要。前面と背面に2口ずつコンセントを備える。キャスター付きで移動も簡単にできる。
 通常夜間の安い電力を蓄電池にためて、料金の高い夕方にためた電力を使用すれば、電気代の削減に役立つ。同製品は任意に時間を設定して、その間自動で給電できるタイマー機能を搭載している。同社は「独自開発の電力変換技術を適用することで、従来品に比べ、充放電に伴うエネルギーロスを20%低減した」という。
 同製品は、停電時に0.01秒以内に系統運転からバッテリー運転へと切り替わる。データの保護に役立つから、「一般家庭だけでなく、小規模オフィスや店舗などでの使用にも適している」(同社)。停電時には蓄電池から電力の供給を受けつつ、太陽光発電システムから給電もでき、非常用電源としての利用も期待できる。
 同社は2012年4月、鉛蓄電池『パワーデポⅠ』を発売した。今回発売した新製品は、従来品に比べ電池容量は約1.5倍、インバータ、充電器の出力は約3倍になった。一方で大きさは約半分、タワー型のパソコン並みだ。質量も約30%減少し、59kgである。蓄電池の寿命は6000サイクルである。
 同社は太陽電池システムメーカやシステムインテグレータ、商社などに卸していく。システムの希望小売価格は94万8000円(税抜)。出荷開始後1年間で2000台以上の販売を目標に掲げている。