自家消費時代のESI流提案術

法人営業は〝二段構え〟 住宅用ニーズは4つに分類

太陽光商材の卸販売から、メガソーラーの開発まで手掛けるヨーロッパ・ソーラー・イノベーション。土肥宏吉社長が、自家消費時代の法人営業法と住宅用太陽光発電設備のソリューションを打ち出した。

自家消費の提案で重要なのは、ファーストコンタクトです。確かに、客先の電力使用量を把握しておかなければ、お客様に正確なメリットを提案できないのですが、初対面のお客様にデータの開示を要求すると、厚かましい印象を与えかねません。だから、最初は事前に用意した簡潔なシミュレーションで提案するのです。

ではシミュレーションについて説明すると、まず、グーグルマップなどを利用して客先の屋根を確認し、太陽光パネルの設置可能枚数や建設費を試算しておきましょう。次に、屋根上の太陽光パネルで発電した電力量に対する自家消費率を設定します。電力量に対して100%自家消費した場合と、自家消費率75%の場合、自家消費率50%の場合といった具合に、あくまでも仮のものとして求めます。そのうえで各々のケースについて電気代の削減額を試算するのです。この際、自家消費率75%の場合は、残りの25%の余剰電力をFITで売電する場合と捨ててしまう場合をシミュレーションしておくとよいでしょう。

忘れてならないのは、全量売電モデルのケースも入れておくこと。そもそも、この提案の目的は、どれを選択しても、お客様にメリットがあることを示したうえで、自家消費率によってメリットが変化することを印象づける点にあるからです。

お客様からうまく自家消費への興味を引き出すことができれば、「それでは正確なシミュレーションをお出ししましょう」と言って、細かい現地調査を行いつつ、1年分の電力使用量データをいただく。つまり2段構えで提案するのです。

留意点は、蓄電設備の提案です。最初から蓄電設備も含めて提案すると、初期投資が嵩むうえ、シミュレーションが複雑になります。商談の過程で自家消費率を高めたいというお客様に限って、蓄電設備を提案されるとよいでしょう。

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長