匿名座談会
手戻りをなくし、正確な積算を
FIT時代は成長したのに、ここに来て業績が振るわないEPC企業が少なくない。何が問題なのか。EPC企業の関係者3名に登場してもらい、匿名で語ってもらった。
──変化に対応できていないEPC(設計・調達・建設)企業が多いようだが。
A氏●FIT全盛期、低圧太陽光発電所の開発で一時的に売上高を伸ばした中小EPC企業のオーナーが、太陽光発電所を保有して発電事業を始めた途端、EPCから離れてしまったというのはよくある話。彼らの企業は規模が小さく、売電収入だけである程度経営を維持できるので、オーナーはオンサイト案件などに本気で向き合わなくなるわけだ。
だが、再生可能エネルギー業界は急速に変化していく。彼らはたちまち浦島太郎状態になり、EPCどころではなくなった。このような経営者が私の周りにもいるので、正直残念だ。
少し真面目な経営者は時流に乗ろうと努力するが、オンサイト案件で元請けに入るには相応の設計力や営業力、施工管理力がいる。結局2次請け、3次請けとしてしか仕事を得られず、単価を抑えられ、利益が得られない。
一方、FIT時代に特別高圧太陽光発電所のEPCを手掛け、年商50億円、60億円といった規模まで成長した企業が一転して厳しくなる例もある。これは、FITの大型案件の受注残が減っていくにもかかわらず、目先の仕事が手一杯の状態で、舵を切れないまま手が付けられなくなってしまったわけだ。
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