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第2回長期脱炭素電源オークション、蓄電池1.3GW強落札

落札率は20%に

2024年度の『長期脱炭素電源オークション』の結果が公表され、1370MWの蓄電池が落札された。前回よりも競争率が高まり、落札価格は下がった模様だ。(本誌・楓崇志)

2025年4月28日、電力広域的運営推進機関が容量市場の一部である『長期脱炭素電源オークション』の24年度の約定結果を公表した。2回目となる今回のオークションでは、蓄電池と揚水発電の募集枠を運転継続時間3時間以上6時間未満と6時間以上に区分し、各々の募集上限を750MWとしつつ、他電源の落札量が募集量に達しない場合、募集上限の最大2倍まで落札量を増やせるように設定した。

約定結果を見ると、蓄電池の落札量は運転継続時間3時間以上6時間未満が961MW、同6時間以上が409MWで、合計で1370MWに達した。応札量と落札率は、運転継続時間3時間以上6時間未満が5140MW、19%、同6時間以上が1816MW、23%で、蓄電池全体では6956MW、20%だった。

初開催の前回のオークションでは、応札量4559MWに対し、落札量が1092MWで、落札率は24%だったことから、今回はそれを上回る競争率だった。オークションで落札された電源は、収益の約9割を還付しなければならないが、原則20年に亘る固定費分の収入が約束される。事業の予見性を確保でき、金融機関から資金を調達しやすい点などから、オークションは人気があり、今回もそれを裏付ける結果となった。

ただし、最も落札量が多かった電源は蓄電池ではなかった。最大の電源種は原子力発電で、既設原発の安全対策投資を目的に3件3153MWが落札された。

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