リミックスポイント、電力料金の〝産業用蓄電池割引〟開始
シールエンジニアリングの菊地潤取締役
電力小売りなどを手掛けるリミックスポイントは2025年4月23日、産業用蓄電設備の購入時に電気代を割り引く新サービスを開始すると発表した。電力消費者が同社の市場連動型電力料金プランに契約し、同社から蓄電池を購入すれば、電力代を定額で割り引くというもので、10年未満の投資回収が期待できるという。電力小売りとの連携で産業用蓄電設備の販売増を狙う。
同社が始めたのは、高圧受電家向けのサービスで、同社が提供する市場連動型電力料金プラン、『JEPXスタンダードDRプラン』の契約者でかつ産業用蓄電設備の購入者を対象に、電力料金を定額で割り引く。経済産業省の24年度補正予算の『業務産業用蓄電システム導入支援事業』の補助金を活用するため、電力消費者はリミックスポイントが提供する『DRメニュー』に加入する必要がある。
産業用蓄電設備は定格出力125kW、蓄電容量261kWhの中・ソラックスパワーネットワーク製を採用し、設置台数1台あたりの割引額は年間102万円。契約期間は1年で、蓄電設備の運転期間中は原則更新できるという。
蓄電設備にはAI(人工知能)制御機能が搭載されており、市場価格が安い日中に充電し、夕方以降の高い時間帯に放電する。割引分を含めて年間約200万円の電力代の削減が期待できるうえ、補助金を併用することで、10年未満での投資回収も可能になるという。特に夜間の負荷率の高い契約電力200kW以上の高圧受電家が導入効果を期待できるようだ。
同社は、子会社で蓄電池のシステムインテグレータであるシールエンジニアリングと蓄電設備を販売していく。直接販売とともにEPC(設計・調達・建設)企業などの代理店を通じて拡販する構えだ。電力小売りの収入は減ることになるが、蓄電設備を販売できることに加え、将来的には需給調整市場の活用も視野に入れているようだ。
シールエンジニアリングの菊地潤取締役は、「産業用蓄電設備は単独では経済性を示しにくいので、今回のサービスを開発した。これで早ければ7年程度で投資回収できる。太陽光発電設備の併設にも対応する予定だ」と語る。今後は蓄電設備の製品群の拡充も検討していく計画だ。
同社がこのほど始めた〝蓄電池割〟で使用するソラックスパワー製産業用蓄電設備