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PVeye 2025年7月号
特集「最新スキーム徹底解説!拡大期のオフサイト太陽光」

遠隔地の太陽光発電所から再生可能エネルギーを供給する〝オフサイト太陽光〟。電力消費者の再エネ調達ニーズが広がり、事業スキームが多様化している。フィジカルPPA(電力売買契約)が基本であるが、バーチャルPPAの利用が拡がりつつある。一方、FIP(フィード・イン・プレミアム制度)や蓄電設備を活用する事業スキームも増えそうだ。オフサイト太陽光発電市場の現状を捉え、最新の事業スキームを解説する。(本誌・楓崇志、土屋賢太)
30年まで待ったなし
活況続くオフサイト太陽光
〝非FIT〟太陽光発電所が生み出す環境価値や電力を売買する〝オフサイト太陽光〟ビジネスが活況だ。オフサイトPPAを中心に市場は成長しているようだ。
【フィジカルPPA】
オフサイト太陽光の基本形
アグリゲータ介在型や余剰電力活用型など多様化進む
電源と消費場所を特定したうえで環境価値付き再エネ電力を供給するフィジカルPPA。〝オフサイト太陽光〟の基本スキームであり、利用が拡大している。
レノバ、非FIT太陽光と蓄電事業に力点
各々30年度までに0.9GW開発へ
再エネ系発電会社のレノバはこのほど2030年度までの中期経営計画を公表し、太陽光発電事業と系統用蓄電事業に力を注ぐ方針を示した。各々0.9GWまで積み上げていく構えである。
【バーチャルPPA】
人気上昇中の注目株
〝FIP転〟で利用拡大か
環境価値のみを直接取引するバーチャルPPA。柔軟性の高い〝オフサイト太陽光〟の注目のスキームで、人気上昇中だ。
『RE100』が技術要件を改定
石炭混焼の禁止や証書償却確認の徹底へ
追加性を含め、再エネ調達時に参考にされることが多い『RE100』の技術要件。2025年3月に約2年半ぶりに改定され、石炭混焼電源の使用が禁止されたほか、証書の償却の確認も厳格化された。
電力消費者事例1
東急グループ、初のバーチャルPPA開始へ
東急がバーチャルPPAを開始する。再エネ企業と太陽光発電所の開発にも力を入れており、脱炭素化を加速させている。
電力消費者事例2
千葉大、CECと短期バーチャルPPA締結
千葉大はバーチャルPPAを活用して試験的に営農用太陽光発電所が生み出す環境価値を調達した。『RE100』の実現に活かしたい考えだ。
【蓄電池PPA】
環境価値の最大化へ
バーチャルPPAが先行か
オフサイトPPAでは定置型蓄電池の活用も選択肢だ。出力抑制時などに再エネ電力を充電することで環境価値の最大利用に繋げられる。〝FIP転蓄電池併設〟案件を含め、バーチャルPPAから拡がりそうだ。
地方見聞録【関西】
官民連携で好転の兆し
進み出した地域脱炭素
電気料金の安い関西では、オンサイト太陽光発電の導入が低調で、地域脱炭素が遅れている。だがここに来て徐々に動き出したようだ。関西の再エネ事情に迫る。
「地域脱炭素の実現には、中間支援組織が欠かせない」
環境省近畿地方環境事務所
鈴木啓太 環境対策課長兼地域脱炭素創生室長
脱炭素化が遅れている関西で各地の課題解決に奔走する環境官僚、鈴木地域脱炭素創生室長が地域脱炭素の課題と展望を語った。
規制強化で不適切案件続々発覚
認定取消32件 交付金一時停止370件
経産省はこのほど、不適切な再エネ案件を公表した。FIT・FIP認定の取り消しが32件、FIT・FIPの交付金の一時停止は370件に上っていたことが分かった。再エネ特措法の改正による規制強化が背景にあるようだ。(本誌・土屋賢太)
「再エネIoT機器の選定にはセキュリティ評価を」
東京大学大学院 情報理工学系研究科 江﨑 浩教授
2024年に太陽光発電所の監視装置がサイバー攻撃に遭い、悪用される事件が起きた。セキュリティ対策とどう向き合うべきなのか。サイバーセキュリティに詳しい東京大学の江﨑教授が語った。
Vol.110
OKIクロステック リペアセンター
沖電気工業の子会社、OKIクロステックが自社の施設に導入した太陽光発電設備。EPC(設計・調達・建設)を手掛ける同社は、フレキシブルパネルを屋根上と壁面に設置した。
「26年冬に国産フィルム型パネル量産へ」
PXP 杉本広紀 取締役CTO
太陽電池を開発するPXPはフィルム型CISパネルのサンプル出荷を始めた。26年冬の量産を目指し、準備を進めている。
英・エクーエナジー、長期脱炭素電源オークションで特高蓄電所落札 岡山県笠岡市で150MW
世界で蓄電所を開発する英・エクーエナジーが岡山県内で蓄電容量60万kWhの系統用蓄電所を建設すると発表した。『長期脱炭素電源オークション』で落札したもので、同社にとって日本で2件目の蓄電所となる。
【第3回長期脱炭素電源オークションの募集ルール案】
リチウムイオン蓄電池の募集枠削減とセル製造国制限で事業環境一変か
初回に続き、1GWを超える系統用蓄電池が落札された第2回長期脱炭素電源オークション。結果が公表されて間もないが、資源エネルギー庁の審議会ではすでに次回の入札に向けた議論が始まっている。先日のオークションでは4.5GWもの応札が集まった蓄電池だが、大幅な見直しで事業環境が一変しそうだ。
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クボタ、営農用太陽光26年末20MW開発へ
九州電気保安協会、太陽光向け 保守点検で包括的なサービス開始
九電子会社らと提携
三井住友建設、洋上浮体式太陽光発電の実証成果公開
国際航業 太陽光関連設備の導入支援を拡充
日本グリーン電力開発エクシオグループと蓄電池関連事業で協業
東北大、廃パネル材からSiC生産へ
住商と実証事業開始
新出光 オンサイトPPA40MW突破
弁護士団リザルト PPA契約書の雛形公開
[第72回]
系統用蓄電所の運用法
需給調整市場のルール変更①
需給調整市場のルールが大幅に変更される。系統用蓄電事業の収益性にどう影響するのか。アンプレナジーの村谷社長が解説する。
エムアイビーシー
マキシオン製住宅用太陽光パネル発売
JFE建材
屋根用基礎発売
世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールスポット価格)/ 需給調整市場の落札結果(2025年5月1日~31日、速報値)
/日本卸電力取引所におけるスポット市場の平均取引価格推移/太陽光パネルの国内出荷量推移/世界太陽光関連企業 決算データ
「エンジニアの力で太陽光発電が必要とされる社会を築く」
東京ガスエンジニアリングソリューションズ エンジニアリング本部 再エネ・脱炭素エンジニアリング部第三グループ 溝渕 佑介係長
再エネ企業で活躍する人材を取り上げる本連載。今回はTGESに所属しつつ、出向でA&Tmの業務も担う溝渕係長の仕事観を聞く。
[士幌町]
2023年、環境省の重点対策加速化事業に採択された北海道士幌町。同町の脱炭素政策に迫った。
発刊日 | 2025年06月25日 |
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定価 | 1,980円 |
コード | 4910801090659 01800 |




