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ユーパワー、〝FIP転蓄電池併設〟支援開始

ユーパワーの小俣徹副社長(左)とユーパワー新規事業開発部の神余亮平部長

ユーネクストホールディングス傘下の新電力会社、ユーパワー(=U-POWER、東京都品川区、高橋信太郎社長)は2025年6月17日、FITの太陽光発電所を対象に〝FIP(フィード・イン・プレミアム制度)転蓄電池併設〟を支援するサービスを始めると発表した。FIP転で生み出される再生可能エネルギーの価値を電力販売に活かしていく。

同社は、FITを活用した太陽光発電所のFIP転蓄電池併設を支援するサービスを開始し、2種類の選択肢を用意した。併設する蓄電設備を無償で設置する第三者所有型のメニューがひとつで、発電事業者は蓄電設備の投資負担がないうえ、「FIT単価×充放電損失前の発電量相当」の収入が得られる。もうひとつが発電事業者から太陽光発電所を買取るメニューで、ユーパワーは買取った発電所をFIPに移行して蓄電池を併設する。

ユーパワー経営企画本部新規事業開発部の神余亮平部長は、「要望に応じて選べるようにした」とし、EPC(設計・調達・建設)企業や商社とも連携しながら提案を強化していく構えだ。

そもそも22年3月に電力小売り事業を始めた同社は、当初からFIT非化石証書を付与した再エネ比率10%、50%、100%の電力料金プランを揃えるなど、再エネを積極的に活用していた。24年冬からは証書ではなく再エネ電源から直接調達した環境価値付き電力を使った電力料金プランの提供も始めたが、ここに来て〝卒FIT〟後の電源活用も見据え、再エネ電源の保有に乗り出した。

そこで同社が注目したのが、FIP転蓄電池併設の検討を本格的に始めた九州のFIT太陽光発電所の所有者だった。ユーパワーの小俣徹取締役副社長兼経営企画本部長は、「出力抑制で困っている事業者が多く、我々の価値を提供できると考えた」とし、「24年9月から電力小売りの需給管理業務を内製化しており、発電量予測などの再エネアグリゲーションも自ら手掛けていくつもりだ」と意気込む。

今回の新サービスの主な対象は九州の高圧案件で、「できればFIT売電単価32円以上で、FITの残存期間が長いものが望ましい」(神余部長)としている。ただし、蓄電池を併設しない中古太陽光発電所の購入は他地域でも幅広く検討していく方針のようである。

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