ダイヘン、発電所併設用に蓄電池パッケージ発売
分割構造で搬入しやすく
電力機器大手のダイヘンは2025年7月4日、太陽光発電所併設用の蓄電設備のパッケージ品の販売を開始すると発表した。連系設備を含めた蓄電設備を一括で供給しつつ、個々の機器を分割搬送することで、搬入経路や設置スペースを確保しやすくした。
同社は、今回のパッケージ品を、蓄電池用PCS(パワーコンディショナ)と蓄電池、連系設備、変圧器で構成し、高速・高精度な充放電制御を行うEMS(エネルギー管理システム)も提供する。特徴は、機器を全てコンテナに内蔵した一体構造式ではなく、分割構造式を採用している点で、同社EMS事業部の山田敏博企画部長は、「蓄電設備の併設を検討しているものの、搬入経路に車両の重量制限がある場合や現地に蓄電設備の設置スペースがないことも珍しくない。このパッケージ品では、各機器を6tトラックで分割搬送できるため、そうした案件でも使い易い」と話す。
標準パッケージ品の蓄電容量は約4000kWhで、1台あたりの蓄電容量が約400kWhのキャビネット型蓄電池10台で構成。PCSの出力は1020kWで、1台あたりの出力が170kWのユニット型PCSを6台組み合わせた。ユニット型PCSの採用で、冷却ファンを小型化し、低騒音化も実現。1m地点での平均騒音値を一般的なPCSの80~90dBに対し、70.3dBに抑えたという。
もっとも、同社は系統用蓄電所向けに同様の機器を用いたパッケージ品を発売済みだ。搭載しているEMSを発電所併設用に対応させた点が今回の新パッケージ品との大きな違いのようだ。山田部長は、「収支シミュレーションの提供やアグリゲータの紹介などでも事業化を支援していきたい」と語る。
太陽光発電所併設用の蓄電池パッケージ。分割搬送できる点が特徴だ