NTTスマイル、電力小売り向け低圧蓄電池遠隔制御サービス開始
遠隔監視装置開発のNTTスマイルエナジー(大阪市、吉田誠社長)は2025年6月25日、電力小売り会社向けに低圧蓄電池を制御するサービスを開始した。電力需要のピーク時やJEPX(日本卸電力取引所)の価格動向と合わせて、電力消費先の蓄電池を充放電制御することで、電力小売り会社の負担軽減に寄与する考えだ。
容量拠出金は夏季と冬季の最大需要を基に算定されることから、同社は電力需要が高い時間帯に蓄電池の放電で電力使用量を削減し、電力小売り会社の容量拠出金の軽減に繋げる。このほかJEPX価格が高騰した際に蓄電池から放電したり、需給計画値とのズレによるインバランスの発生が見込まれる際にも充放電を制御したりする。
同社は16年よりDER(分散型エネルギー電源)制御の実証事業に参加し、3400件の同時制御の実績がある。遠隔監視装置の販売で取引のある1200社の販売・施工店網を活かして、電力小売り会社の営業支援や、電力消費者へ蓄電池の制御権の許諾を取る際の後押しをしていく。
同社事業開発部サービス企画担当の松本一輝リーダーは、「低圧DERの課題であるリソースの数を集めないと調整力を発揮できないという点はすでにクリアした。導入した蓄電池の遠隔制御システムは1.2万件にのぼる。29年度を目途に容量市場への参入を予定している」と語る。
資本関係のあるオムロン製蓄電池のほか、今後は複数のメーカーの蓄電池制御を展開していくとともに、エコキュートなど制御する機器を増やしていく方針だ。
サービス料は1つのIDに対して年間7200円とし、サービス利用料を電力小売り会社から徴収する。