神明HD 舞台ファームと提携
営農用太陽光の実証へ
米卸大手の神明ホールディングス(兵庫県神戸市、藤尾益雄社長)は2025年7月29日、農業法人の舞台ファーム(宮城県仙台市、針生信夫社長)と提携した。営農用太陽光発電の実証事業に着手し、持続可能な農業モデルの確立を目指す。
神明HDは、舞台ファームと営農用太陽光発電所を宮城県美里町内に導入し、実証試験を始める。農作物の生育状況などを検証する。舞台ファームの植物工場に隣接する3.9haの農地に出力1.5MW規模、支柱の高さ約3.5m、遮光率33%程の営農用太陽光発電所を設置する。25年9月に着工し、26年2月に完工する計画だ。
農地を所有する農事組合法人に農作業を委託し、水田で米を栽培する。委託先には作業代と土地の賃借料を支払う。舞台ファームが発電設備を所有し、再生可能エネルギー電力を植物工場で消費する。施設の消費電力の78%を賄う想定だ。
このほか、営農用太陽光発電所の近接地にEV(電気自動車)充電器を設置してEVステーションをつくる。周辺の農家に電力を提供しつつ、災害時には地域住民へ供給する。神明HDの鈴木章人取締役は、「互いの強みを活かし、収益を確保できる農業モデルを構築する。営農用太陽光発電の実証試験にとどまらず、農業従事者の人材育成やスマート農業の推進などへ展開したい」と語る。
写真は業務提携締結式の様子。左から舞台ファームの針生信洋取締役と舞台ファームの伊藤啓一専務取締役、舞台ファームの針生信夫社長、神明HDの藤尾益雄社長、神明HDの鈴木章人取締役