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PVeye 2025年10月号
特集「脱炭素時代の新潮流 再エネ発電事業の現在地」

FITによって、太陽光発電所を運用する発電事業者が増え、再生可能エネルギーの普及は進んだ。だが、低圧太陽光発電所を持つ個人事業主が急増し、いまや低圧太陽光発電所は既設の太陽光発電所80GW弱の4割近くを占めている。そこで政府は長期適格事業者制度を発足。再エネ電力の安定供給が個人の裁量に委ねざるを得なくなる状況を憂いて、低圧太陽光発電所を長期運用できる大手企業に集約させたい考えだ。では、再エネ系発電事業者はどこに向かうのか。足元の市場ではFITを活用した新設需要は終息し、新規開発の難度が上昇している。脱炭素時代に入り、コーポレートPPA(電力売買契約)や系統用蓄電所など、新たな事業領域へ乗り出す動きもある。再エネ系発電事業者のいまに迫った。(本誌・楓崇志、中馬成美、川副暁優)
内向きから外向きへ
拡がる再エネ系発電事業
FIT時代に急成長を遂げた再エネ系発電事業者が脱炭素時代に入り、再成長の時期を迎えたようだ。発電事業を軸としつつ、業容拡大の動きが出てきた。
新規開発を継続!
照準はPPAと蓄電所
さらなる高みを目指す再エネ系発電事業者は決して新規開発の歩みを止めない。その多くはコーポレートPPAを活用しつつ、新たに系統用蓄電事業にも乗り出しているようだ。
NITE、太陽光発電所のリスク低減を呼びかけ
太陽光発電設備の長期運用に向け、自然災害やサイバー攻撃などを想定した危機管理は欠かせない。NITE(製品評価技術基盤機構)は2025年8月20日、台風による事故のリスクを低減する要点をまとめ、危機管理の重要性を訴えた。
エンバイオHD、系統用蓄電所のEPC会社設立
ネクスト・イー・ソリューションズと共同で
土壌汚染対策や太陽光発電事業を展開するエンバイオ・ホールディングスが蓄電池ベンチャーのネクスト・イー・ソリューションズと系統用蓄電所のEPC会社を設立した。発電事業から蓄電所のEPCへと業容を拡げ、さらなる成長を目指す。
Interview
「再エネ事業で社会課題の解決へ 蓄電池の活用にも照準」
東急不動産 取締役常務執行役員 西田恵介 インフラ・インダストリー事業ユニット長兼環境エネルギー事業本部長
匿名座談会
反対運動は政治活動!?
太陽光発電所はなぜ地域の住民から否定されるようになったのか。発電事業者の立場から関係者の3名に匿名で語ってもらった。
信頼構築は一朝一夕にあらず
地域と歩む再エネ開発
反対運動や規制条例の制定が相次ぎ、太陽光発電事業は転換点を迎えた。法令遵守だけでは不十分で、発電事業者には利益を地域と共有する裨益型の発電所開発が求められている。
「優良な再エネ発電所が選ばれる市場の仕組みが重要」
名古屋大学大学院 環境学研究科 丸山康司 教授
名古屋大学の丸山教授は、優良な再エネ発電所を普及させるためには、認証制度が必要だという。地域貢献に資する再エネ発電所とは。
「利害関係者の共通のニーズを抽出し、効果を最大化」
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター センター長 宮下和士教授
北海道大学の宮下教授は再エネの教育研究拠点、リニューアブルエナジーリサーチ&エディケーションセンターを学内で立ち上げた。洋上風力発電を中心に再エネと地域の共生を目指す。設立の思いを語った。
鍵は農業の高収益化
営農発電事業の成功モデル
営農用太陽光発電事業においては、農業の高収益化が課題であるが、ここに来て成功の形が見えてきた。事例を紹介する。
FIT始動から13年
地域発電会社のいま
FIT時代に再エネ発電事業で富を築いた地域のオーナー企業。すでに再エネ業界から去った企業が多いなか、いまなお発電事業に拘る企業もある。彼らの足跡を追った。
FIP転から集約化まで
既設発電所の活用法
稼働済みの太陽光発電所の長期安定稼働は、発電事業者の重要な役目だ。収益性向上や集約化に向けた取り組みが始まっている。
スマートエナジー、既設の低圧太陽光400基運用へ
太陽光O&M最大手のスマートエナジーがNEC系の投資会社と新会社を設立し、低圧太陽光発電所400基を運用する新事業を始めた。同社の狙いとは。
いまだ色褪せない短期型再エネ発電事業
PPA方式で独自の再エネ発電事業を展開する長州産業傘下の第二電力。10月1日付で『シーパワー』に社名を変更し、新社長に椎原副社長が就任するという。同社の事業モデルに迫った。
地方見聞録【中四国】
出始めた新事業構想 脱炭素先進地の矜持
中四国では、地域脱炭素化が進む一方、系統用蓄電事業や〝FIP転蓄電池併設〟など、新事業の動きも出てきた。〝脱炭素先進地〟の再エネ企業を追った。(本誌・川副暁優、中馬成美)
地域資源で脱炭素化 高知・梼原の複合再エネ供給
自然豊かな高知県梼原町は、地域資源を活用して様々な再エネ電源で脱炭素化を進めている。町の取り組みに迫った。
サングロウ、ヘキサと系統用蓄電設備の供給で合意 特高4件約60万kWh
中国PCS大手の日本法人、サングロウジャパンはこのほど、蓄電事業会社のヘキサ・エネルギーサービスと系統用蓄電設備の供給で合意した。サングロウは4件約60万kWhの系統用蓄電所に蓄電設備を供給する。2026年から出荷する予定だ。(本誌・楓崇志)
Vol.113
再エネ水素実証プラント太陽電池発電設備
EPC(設計・調達・建設)企業のイワテックが再生可能エネルギー電力で水素を生産するために設置した太陽光発電所。水の電気分解で水素をつくる製造能力5N㎥/hの水素発生装置を稼働させるため、発電した太陽光電力を全て水素製造に充てている。
【太陽光パネルリサイクル法】早期の法制化を見送りへ
2030年半ば以降の太陽光パネルの大量廃棄に備え、リサイクル(再資源化)やリユース(再使用)を含めた廃棄パネルの適正処理体制の構築は重要な課題である。そこで環境省は経済産業省と24年9月に有識者会議を発足し、25年3月に太陽光パネルのリサイクル義務化に関する制度案をまとめ、関連法案を国会に提出する予定だったが、ここに来て内閣法制局から〝待った〟がかかった。
クリーンエナジー・ソリューションズ
オンサイトPPA30MW超締結 地域脱炭素を積極支援
栃木銀行の再エネ子会社、クリーンエナジー・ソリューションズがオンサイトPPAの契約量を伸ばしている。地域の脱炭素化を積極的に支援していく構えだ。
CSJ、産業用太陽光発電パッケージ発売
自家消費シミュレーションも提供
カナディアン・ソーラー・ジャパンが産業用太陽光発電設備のパッケージ商品を発売した。設備一式とともに、負荷追従や出力抑制に対応した制御装置を商品化し、自家消費シミュレーションまで提供していく。
ナカタケ、太陽光パネル中間処理事業参入 金沢市内に新工場開設
EPC企業のナカタケが金沢市内に太陽光パネル中間処理工場を開設した。2030年以降の太陽光パネルの大量廃棄を見据え、中間処理業に乗り出す構えだ。
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三井住友海上火災、天候指数保険販売開始
FPS、〝FIP転蓄電池併設〟の支援開始
東北電力、営農用太陽光事業に参入
千葉エコらと可倒式架台開発
25年度第2回FIP入札、47件114.5MWが落札
前回に続き0円入札も
スマートシティ企画ペロブスカイト太陽電池の評価・支援開始
中国パネル大手、25年上期も軒並み赤字
東急パワーサプライ、住宅用蓄電池の充放電制御の大規模実証開始
都内の戸建住宅に1000台無償配布
J-PITA、都内で会員交流会開催
[第75回]
新電力に課される供給力確保への対策②
新電力会社への義務化が検討されている中長期の供給力確保について、アンプレナジーの村谷社長が前回に続いて対策を解説する。
ハンファジャパン
n型BCの住宅用太陽光パネル発売
動力
太陽光パネル用掴み金具の新製品発売
トーコー
住宅用太陽光ケーブル入線材の発売
世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールスポット価格)/需給調整市場の落札結果(2025年8月1日~31日、速報値)/日本卸電力取引所におけるスポット市場の平均取引価格推移/経済産業省及び環境省における主な太陽光発電・蓄電池関連の2026年度概算要求/世界太陽光関連企業 決算データ
「顧客の潜在ニーズを引き出し、的確に応えていく」
エナリス 営業統括本部営業統括部 GXソリューション営業部GX営業一課 阿達 洋平課長
再エネ関連企業で活躍する人材を取り上げる本連載。今回はエナリスの阿達課長に仕事観を聞いた。
[与那原町]
脱炭素先行地域に選定された沖縄県与那原町は太陽光発電を中心に再エネの導入を進めている。ただ、課題もあって、道のりは険しいようだ。
発刊日 | 2025年09月25日 |
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定価 | 1,980円 |
コード | 4910801090956 01800 |




