なぜファーウェイPCSが選ばれるのか

2016.11.05

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 2013年にPCS(パワーコンディショナ)の製造を開始して以来、世界各国に販路を開拓してきた中ファーウェイ(華為技術)。なぜ同社のPCSが選ばれるのか。その理由を探るべく、中国のメガソーラー2基を視察した。

メンテ効率、飛躍的に向上

 中国山東省最大の都市、青島。市内の国際空港から車を1時間走らせると、出力20MWの太陽光発電所が姿を現した。約67万㎡の土地に8万枚の太陽光パネル、そしてファーウェイ製40kWのPCSが約500台設置してある。
 ただ一風変わった趣だ。パネルは地上5mの高さにある。アレイ間は広く開けられ、一般的な20MWの発電所と比べると、敷地面積は約3倍もある。そう、営農型太陽光発電所なのだ。今年6月に稼動したが、今後パネルの下にビニールハウスが建てられ、野菜や観賞用植物を栽培するらしい。
 ならばメンテナンスは簡単でないはず。広大な土地を隈なく歩き回る苦労に加え、パネルが高い位置にある。目視点検や赤外線カメラによる異常発見に手間がかかることは察しがつく。 
 しかし、O&M(保守・管理)を請け負うサラナスは、特段苦労はしていないという。「ファーウェイ製PCSに搭載されたI‒Vカーブ測定による『スマート故障診断』がメンテナンス効率の向上に一役買っているから」(サラナス)だ。
 I‒Vカーブ測定によるスマート故障診断とは、ファーウェイ製PCSの独自機能である。PCSと管理システムにより、遠隔からストリング単位でI‒Vカーブを測定し、そのデータをビッグデータ解析により集計した過去の故障の傾向と照合して異常の原因を特定する。この機能があれば、O&M業者は広大な敷地を歩き回って1台ずつPCSを検査する必要はない。適度に測定し、異常を検出した場合のみ現地へ向かえば済む。
 発電量を測定する機能だけでは、出力低下を検出しても、故障かどうか即座に判断できず、現地で確かめなければならない。ただ同発電所でパネルを1枚ずつ検査するには、脚立で作業する必要があり、非常に手間がかかる。故障かどうか不確かなまま調査に赴けば、出力低下の原因を突き止めるまでに長い時間がかかるが、こうした面倒をスマート故障診断は解消する。
 しかも、中型PCSは大型PCSに比べ、1ストリングに接続するパネルの枚数が少ないので、ストリング単位でI‒Vカーブを測定すれば、O&M業者は故障パネルの位置をおおよそ特定できる。
 サラナスによれば、大型PCSを採用した別の発電所で出力低下が起きた際、原因特定まで脚立の上り下りを何度も繰り返さねばならなかったが、ファーウェイのPCSに替えてからその必要はなくなったという。

傾斜地で本領発揮

 2基目の発電所は、青島市の中心街から車でおよそ3時間半、急峻な山々の斜面にあった。総出力は50MWで、約19万枚のパネルとファーウェイ製33kWのPCS約1500台で構成されている。昨年12月に稼働したばかりだ。
 設置場所の地形が複雑なため、パネルの向きや日射量、気温が場所ごとに大きく異なり、発電量も場所によって差が生じる。ファーウェイのPCSは一台に3回路のMPPTが設けられ、1MWの場合は100回路にも達する。大型PCSに比べはるかに多く、発電量の向上に繫がる。今年1月から9月中旬までの累積発電量は5400万kWhにのぼっている。
 「この値は、事前のシミュレーション値より20%も上回っています」というのは、事業主で発電所の建設からメンテナンスまで手がける天恩エナジーの徐万棟総経理だ。「ファーウェイのPCSは、変換効率が98・8%と非常に高く魅力的です。また、サイズが大型機に比べて小さく、軽量で、施工性が大幅に向上しました」と利点を説く。
 天恩エナジーの発電所は、凹凸が激しい狭小な道を抜けた山奥に立つ。大型PCSを運ぶ貨物車の通行は簡単ではないが、中型PCSであれば、現地への輸送も容易といえよう。
 さらに中型PCSは架台下へ収納でき、設置も容易だ。大型PCSは平地でないと設置できず、傾斜地に発電所を建設する場合、パネルからPCSまで必要以上の距離が生じてしまう。その分余計にケーブルを用意しなければならず、無駄にコストがかかるうえ、発電電力のロスを引き起こしてしまう。架台下にPCSを設置できれば、余計にケーブルを伸ばす心配もない。
 このほかファーウェイのPCSは、「軽いので、持ち運びが非常に楽です。分散型PCSは仮に故障が起きてもすぐに交換でき、売電ロスを低減できます」(徐総経理)。
 もちろん、ファーウェイのスマート故障診断機能も大活躍だ。徐総経理は「わざわざ急斜面を登り降りして約1500台のPCSを1台ずつ計測する必要はなく、本当に助かっています」と笑顔を見せる。
 ファーウェイのPCSは多様な設置環境に柔軟に適応できる。発電所の適地が減少しつつある日本でも、少なからぬ利益をもたらすはずだ。

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