日本の再エネ技術を世界へ アンフィニジャパンソーラーのモノづくり魂

2015.03.01

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 FITのプレミア期間の終了を前に曲がり角に差し掛かった日本の太陽光市場。だが、この逆風をものともせず、挑戦し続けるメーカーがある。アンフィニジャパンソーラーは3年間の充電期間を経て、日本から世界へ羽ばたく。しかも太陽光から風力や小水力、さらにバイオマスまで、再生可能エネルギーの全領域へ業容を拡大する。その原動力はどこから生まれるのか。

 モジュール製造を軸に、EPC(設計、調達、建設)や発電事業まで手掛けるアンフィニジャパンソーラーはいま、〝世界展開〞を目指している。「国内市場が停滞すれば、世界に打って出る」のは自然の流れだ。しかし、モジュールのグローバル競争は激化しており、多くの日本勢が足元の国内市場で利益確保に努めているのが実情だ。果たして同社に勝算はあるのか。
 親川社長は、「当社には技術と品質管理のノウハウがある。そして世界大手メーカーとのパートナーシップ。これらを活用し、戦う土俵を間違わなければ、商機は必ず掴める」と軒昂だ。
 事実、収益率が低下し、大手メーカーが撤退を余儀なくされているなか、同社の財務は安定している。2014年3月期の売上は103.4億円、経常利益は5.2億円だった。今期は売上が前期比35%増の135億円で、増収増益を維持する見通しだ。
 EPCやIPP(独立系発電)、O&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)といった事業の多角化が功を奏しているのも要因のひとつだが、主力のモジュール事業も単体で利益を上げている。
 これには、大規模な投資リスクを抱えずにコスト競争力と供給力、そして品質管理力を手中に収めた独自の事業モデルが背景にある。同社は、2000年代からシリコン原料のトレードに携わり、モジュールの世界大手メーカーと関係を構築した。その過程でモジュール生産における品質管理のノウハウを独自に習得し、やがて中国や台湾の大手メーカーの工場を間借してモジュールのファブレス生産を開始した。いまでは「各工場の生産ラインを合わせると、生産能力は1GW」(親川社長)にのぼっており、昨年からトルコと韓国、日本にも生産拠点を置いた。これは米政府によるアンチダンピング制裁への対策である。
 このファブレス生産でコスト競争力と供給力を得た同社が、最も力を入れているのが品質管理だ。委託製造先とODM契約を結び、技術者を送り込んで生産工程から材料の選定まで自社基準で厳格に管理し、自社の専用ラインを設けている。そして、その最終形が、「海外戦略を見据え、世界に類を見ない独自の技術ラインの保有」である。
 同社はいま、総工費70億円をかけて、東北地方にモジュール工場を建設している。17年を目途に稼働する予定だ。「製造装置を内製化し、次世代モジュールを量産する。最初は年産150MWだが、徐々に拡大していく」(親川社長)。
 一方、差別化のポイントはきめ細かい対応力である。「塩害や積雪、強風、さらには熱帯地域など、世界各地の様々な環境に適応したモジュールを提供していく。大手メーカーが対応できない小さなニーズも製品に反映していく」(親川社長)。地域に密着したメーカーとなり、グローバル競争の波に呑まれないオンリーワン企業を目指すというわけだ。
 〝世界展開〞は、まず米国をはじめ、オーストラリア、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ミャンマーでモジュールを販売する。そしてドバイに拠点を構え、北アフリカや中東へ展開する計画だ。

風力、水力、バイオマスそして電力小売りへ

 モジュールの製造販売で世界に進出する同社の次の野望は、再エネ領域への全面展開だ。
 親川社長は、「当社は新電力会社として電力小売に本格参入する。16年の電力小売全面自由化を睨んで着々と準備している」とし、「電力事業をやるためには、太陽光だけでは片手落ち。やはり風力、小水力、バイオマスがカギを握る」と方向性を示した。
 同社が保有する太陽光発電所は、計画中のものも含めると、300MW規模になる。だが太陽光は不安定電源であるため、バイオマス発電や小水力発電を開発し、安定電源を確保しようというわけだ。
 すでに静岡県や岡山県など3〜4ヵ所の候補地でバイオマス発電所の開発を進める一方、太陽光発電と小型風力発電に蓄電システムも合わせたハイブリッド型発電所を海外で販売している。
 さらに親川社長は、「当社はメーカーとして今後もモノをつくり続けていく。太陽光発電の分野ではモジュールを生産しているが、これと同じく、風力発電では風車や発電機、バイオマス発電ではプラントなどを製造する主要設備のメーカーになる。そうすれば世界が見えてくる」と、壮大なビジョンを描く。
 果敢に挑戦するアンフィ―ジャパンソーラー。今後も目が離せなくなってきた。

アンフィニジャパンソーラー株式会社
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