デルタ電子が実証するPCS分散設置の優位性

2016.04.01

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 台湾の電源メーカー、デルタ電子(日本法人・東京都港区、柯進興代表)が、PCS(パワーコンディショナ)分散設置の提案を強めている。実証も兼ねて1月に兵庫県で中型PCSを185台設置したメガソーラーを稼働させた。同社が推す分散設置のメリットとは。

 今年1月、兵庫県赤穂市西有年で珍しい太陽光発電所が稼働した。出力4MWのメガソーラーだが、一見PCSらしきものが見当たらない。事業主はPCSを製造するデルタ電子で、実は、20kWの自社製PCS175台と同50kW機10台の大部分を架台の裏に設置した〝分散型ソーラー〞だったのだ。
 1月15日、稼働を記念して開催した開所式で、柯進興代表は、「自然環境をできる限り利用しつつ、効率の良い発電を可能とする最新型の発電所だ」と満足げに語った。
 デルタ電子は、これまでにも20kWのPCSを15MWの大型発電所へ納入した実績もあるが、今後提案を強めていくには、自社でメガソーラーを所有し、分散設置のメリットを実証する必要があったのだろう。同社大阪営業所の宮崎偉生所長は方針をこう述べた。
 「土地の造成費が想定以上にかかって断念せざるを得ない案件が少なくありません。しかし分散設置であれば、造成費を削減でき、発電量を最大化できるので、案件開発のソリューションになるはず。自社発電所で実証していきます」。
 同社は分散設置のメリットを大きく3つ挙げる。
 第一に、リスク分散だ。大型機がひとたび故障すれば、多くの売電機会を失い、復旧にも時間がかかるが、中小型機の分散設置であれば、同時に複数台のPCSが故障しない限り、故障による売電への影響は少ない。
 第二に、コスト競争力。中小型機は架台の裏に取り付けられるため、大型機のようなPCSを収納する専用のエンクロージャや空調設備は不要だ。土地造成費の削減に繋がるのは言うまでもない。
 第三に、施工性の向上である。中小型機は軽量で、人の手で運べる。専用の重機が要らず、施工時に加え、メンテナンスや交換時の時間短縮に繋がる。特に同社の製品は「アルミ素材で50kW機でも74㎏。他社の製品よりも軽い」(宮崎所長)。
 同社の発電所には、年内に蓄電池を導入する計画もある。宮崎所長は、「パネル容量がPCS容量よりも多く、数日のピークカットを想定していますが、そのカット分を蓄電池に貯めて有効活用できるかどうか実証するつもりです。電力自由化やFIT終了後を見据え、準備していきます」と話す。
 電源メーカーの同社は、機器の製造はもちろん、制御技術を高め、トータルソリューションを提案していく構えだ。「太陽光発電所の発電量を高めるためには、分散設置でコストを抑えることに加え、配線ケーブルを短くして電力ロスを減らす必要もあります。将来は複数の発電所を蓄電池で効率よく制御するなど、トータルソリューションを提供していきます」(宮崎所長)。
 デルタ電子の副会長を務めるマーク・コウ氏は、「技術力を活かし、省エネを通じたエネルギーの有効活用を提供していきたい」と将来の展望を語っている。

デルタ電子株式会社
東京都港区芝大門2-1-14
TEL:03-5733-1111
http://www.delta-japan.jp

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