技術立社AUOのプライド 高効率路線でルーフトップに照準

2016.04.01

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 高品質なモジュールの製造技術で日本のユーザーから信頼を獲得している台AUO(エーユー・オプトロニクス)。今年からルーフトップ市場に照準を合わせ、販売を強めていくという。どのような狙いがあるのか。

 液晶パネル世界大手のAUOが独自の技術で太陽電池の生産を始めたのは2008年である。当時から、価格競争力を強みに拡販していた中国勢とは異なり、高効率、高耐久性を追求した製品づくりを進めた。それが功を奏したのだろう。翌10年から品質が求められる日本で販路を開拓してきたのだ。
 現在は欧州向けの出荷がほぼ半分を占め、米国と日本がそれぞれ20%程度であるが、それでも日本を重要な市場と位置づけているようだ。太陽光事業部の林培弘事業部長は、「FITが始まってから日本では産業用の大型案件が急増したが、今後は工場や店舗、住宅の屋根上が伸びるはずです。当社はルーフトップに力を入れていきます」と方針を語る。

多彩なラインナップ

 同社の強みのひとつは、豊富なモジュールのラインナップだ。現在モジュールの年産能力は500MWであるが、シリコンインゴッドの成形からセル、モジュールまで内製化しているため、顧客のニーズを汲み取った様々な高付加価値製品を開発できるのである。
 たとえば、単結晶シリコン型の『サンヴィヴォ』と、多結晶シリコン型の『グリーントリプレックス』は、それぞれモジュール変換効率18%、16%を超える高効率製品だ。ほかに、セルを特殊な軽量ガラスで覆い重量が従来に比べ半減した『エア』や、バックコンタクト型セルを96枚搭載した335W、モジュール変換効率20%超の『サンフォルテ』が揃う。
 最近はルーフトップへの展開をにらんで製品開発を進めており、昨年12月にはフランスの屋根メーカーと共同開発したモジュール一体型屋根材『イージールーフ』を日本で発売した。この製品ははめ込むだけでモジュールの設置が可能になる。林事業部長は「工期は約半分に、部材費、人件費などを合わせたコストは25%程度安くなります」と利点を述べ、今年から同製品の販売に本腰を入れる。

耐久性はIECの3倍

 一方、AUOはモジュールの製造を開始して以来、徹底して耐久性の向上に努めている。10年に台中市の工場にモジュールの検査設備を導入。同施設では国際認証規格『IEC61215』や北米の認証規格『UL1703』に基づく性能試験を実施できる。
 「品質に一切妥協しない」(林事業部長)AUOは、温度85℃、湿度85%の環境下にモジュールを晒すダンプヒート試験をIEC規格の3倍の長さ行っており、温度サイクル試験や結露・凍結試験もそれぞれ3倍の回数分行っている。さらに、モジュール表面に数千Paの圧力を繰り返し加える動的荷重試験や、梱包した状態のモジュールに振動を加える試験を実施し、常に耐久性を高める努力を惜しまないのだ。
 現在ユーザーには25年後も製品出荷時の80%以上の出力を保証し、10年の製品保証を付与する。期間内に発生した製品の異常に対し、全額自社負担で修繕や交換に応じる。4月には製品保証を2年間延長した新モデルを提供する予定だ。
 今後は太陽電池の販売だけでなく、昨年発売した自社製蓄電池『パワーレガット』やEMS(エネルギーマネジメントシステム)とセットにしたモジュールの提案を視野に入れる。現在急ぎEMSを開発中で、来年の提供開始を目指している。
 林事業部長は「これまで商社やEPCを通じ、日本へモジュールを出荷してきました。今後は代理店や地方工務店などのパートナーを積極的に募集し、製品を販売していきたいです」と展望を語る。

株式会社日本エーユー・オプトロニクス
東京オフィス:東京都港区芝3丁目24-21三和ビル5階
TEL:03-6414-7388
FAX:03-6717-6289

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