[特別対談 第31回]自家消費新時代のPCS 田淵電機 坂本幸隆執行役員×ESI 土肥宏吉社長

2019.06.30

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 ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長による特別対談。今回のお相手は、ダイヤモンド電機の傘下に入って再起を図るPCSメーカー、田淵電機の坂本幸隆執行役員である。自家消費新時代のPCSについて意見交換した。

土肥氏●昨年、貴社の経営が厳しい状況にあった頃、私の周りには根強い〝田淵ファン〞の方が多くいらっしゃって、皆さん貴社の再建を願っていました。まだ様々な経営課題が残っておられるのでしょうが、新体制のもと再始動されたので、今日は貴社の新たなビジョンなども含め、自家消費新時代のPCS(パワーコンディショナ)というテーマでお話をお伺いできればと思います。

坂本氏●はい。ただ最初に、皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたこと、この場をお借りしてお詫び申し上げるとともに、当社の経営問題に対して、経緯を報告させていただきます。
 ご承知のとおり、当社は昨年資金繰りに行き詰まり、2018年6月25日に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請しました。中長期の再建計画を立て、取引金融機関には借入金返済の一時停止をお願いし、19年1月22日にはダイヤモンド電機より30億円の資本注入をいただくことで再建の道筋が得られました。そして取引銀行から約49.5億円の債権免除と返済条件変更の支援を受け、これをもって事業再生ADRが成立しました。
 その後、固定費の削減に
取り組み、今年1月には90人弱の希望退職者を募ったほか、米国田淵電機は、アフターサービスの体制を残し、4月末に全社員を解雇。田淵電機本社からのサポート体制としました。昨年7月に400人いた社員は、現在約250人まで減っています。

土肥氏●再スタートを切られてから、PCSの販売はどのような状況ですか。

坂本氏●住宅向けの主力商品は、出力5.5kWのハイブリッド型PCSと蓄電容量4kWhの蓄電池で構成されるハイブリッド蓄電設備です。18年上期の販売数は月50〜100台でしたが、下期には月250〜500台に増えました。昨年の台風で停電になった時に当社の設備を利用された方がおられて、非常用のメリットが口コミで広がり、販売につながったようです。
 一方、低圧太陽光発電所や自家消費向けの三相9.9kW機の販売は、前年比20%増の月1000台と好調ですが、逆に品薄状態でお客様に迷惑をおかけしている状況です。海外製PCSのセンドバック方式に不満をもたれている方もいらっしゃるようで、当社のPCSに切り替えられるケースもありました。

土肥氏●企業に自家消費用の設備を販売する場合は、これまで以上にアフターフォロー体制が問われます。というのも、客先でトラブルが生じた際、早期の復旧対応はもちろんですが、客先の企業には説明責任が生じるので、販売会社には報告書の提出が求められます。その点、貴社はトラブル時の対応が非常によく、報告書もきっちりと提出して下さいます。とてもスムーズなので、今後自家消費用の設備を販売していくうえで、非常に心強いのですが、どのような経緯があったのでしょうか。

坂本氏●当社はもともと部品メーカーで、直接エンドユーザーに販売していなかったこともあって、以前はアフターフォローが不充分でした。だがそれでは長期にわたって事業を継続できないと反省し、現在はその道のプロにお願いしています。

土肥氏●20年のFITの抜本見直しを迎えるなか、今後は自家消費が中心になると思います。住宅用のマーケットから始まり、全量売電の大量普及時代があって、また新時代へと移行していくわけですが、どのように見ていらっしゃいますか。また、ダイヤモンド電機さんとのシナジーも踏まえ、どのようなビジョンを描かれているのでしょうか。

坂本氏●今後、市場の中心になる低圧の自家消費や住宅用太陽光発電は、我々の得意領域ですから、商機は充分にあると思っています。PCSに関しては、価格や性能に加え、アフターフォローに力を入れ、きめ細かい対応で差別化を図る考えです。
 ダイヤモンド電機とのシナジーとしては、EV(電気自動車)の大量普及時代を見据えています。EVにはDC/DCコンバータやインバータが搭載されます。ただし、車載用製品を供給するというのは、その領域に参入していない当社にとって非常にハードルが高い。その点、ダイヤモンド電機は、自動車に搭載するガソリン点火用のイグニッションコイルを長年製造してきました。ですからEV用インバータという点でシナジーを発揮できる可能性がありますし、あるいはV2H(車から家庭への電力供給)の開発などもあり得るでしょう。

土肥氏●ところで、貴社は先日、スマートグリッドの権威ある賞を受賞されたと聞きましたが、経緯についてお聞かせください。

坂本氏●はい。IEA(国際エネルギー機関)傘下のISGAN(国際スマートグリッド協会)から『ISGANアワード2019』の奨励賞をいただきました。これは、カナダ・オシャワ市で、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とオシャワ市、さらにオシャワ電力とともに15年から3年間手掛けた住宅エネルギー管理システムの実証事業によるものです。停電時にシステムが自立運転することによるバックアップ機能や、再生可能エネルギーによる節電効果で経済性が得られるといった成果を得たので、その功績が認められたのだと思います。日本企業では初めてということなので大変光栄です。

土肥氏●自家消費の新時代には、益々PCSの機能や性能が問われます。それだけに、これまで国内市場を牽引されてきた貴社に対する期待度は高まっているのではないでしょうか。今後の活躍を祈念しています。


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