ESI土肥社長が語るPPAモデルの可能性

2020.12.01

PVeye

 様々な再エネ商材を扱うヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥社長が、ドイツの事情に照らし合わせて、PPAモデルの可能性について語った。
 
 16年の電力小売りの全面自由化を契機に、再生可能エネルギーの関連会社からも新電力会社が多く立ち上がりましたが、競争が過熱した結果、撤退された会社も少なくありません。とくに、大手電力会社が顧客を奪われまいと必死で電力料金単価を下げたので、小規模な新電力会社では太刀打ちできないという状況がありました。
 しかしその後、太陽光発電のコスト低減が着々と進むと、再エネの競争力が高まっていきます。また、気候変動対策の観点から『RE100』に加盟する大手企業が増え、再エネ電力の需要が伸びていきました。その一方で、自然災害が頻発し、非常用電源になり得る分散型の再エネ電源のニーズが拡大します。企業がBCP(事業継続計画)対策を目的に太陽光発電設備や蓄電設備を導入するようになると、FIT売電単価の減額と相俟って、自家消費のマーケットが立ち上がり、PPA(電力売買契約)で再エネ電力を販売するモデルが成立するのです。
 このPPAモデルは、電力系統網を使わずにオンサイトで直接電力を届ける仕組みゆえ、託送料が発生しません。うまく活用すれば、既存の電力より安く再エネ電力を供給できるのです。こうなると、再エネの付加価値は一気に向上します。気候変動対策になり得、非常用電源としても機能するうえ、電力代まで下がるのですから。今後は再エネを活用する新電力会社が増えるでしょうし、PPAモデルが法人を中心に広がる可能性もあります。
 ただ、PPAモデルに関して、一般家庭に浸透するかどうかはまだ見えません。米国では急速に普及したようですが、ドイツでは現状それほど家庭に広がっていません。ドイツでは、高い電力代に対し、太陽光発電設備はもちろん、蓄電設備の価格も相対的に下がっていますから、太陽光発電設備と蓄電設備をセットで購入する世帯が多いのです。
 事実、2020年のドイツにおける住宅用太陽光発電の導入量は約1GWで、12万件となる見込みですが、このうち6割以上の世帯に平均容量8kWhの蓄電設備が導入される見通しです。ドイツでは、蓄電設備も購入して再エネの自家消費率を高めることによって経済性を追求するという利用法が定着しているのです。
 一方で、法人向けPPAモデルはドイツでも増える兆しが伺えます。ドイツの太陽光発電導入量は19年の3.9GWから20年は4.5GWに上昇するとの予測があり、この4.5GWのうち0.5GWが法人向けPPAモデルによるものとみられており、これが21年に1.5GW、22年には2GWへ拡大するとの推計まであります。
 コロナ禍の経済停滞を再エネで回復させようという〝緑の回復(グリーンリカバリー)〞が提唱されていますから、企業に初期負担のかからないPPAモデルを後押しする機運が高まっているのかもしれません。
 ともあれ、PPAモデルは、客先に設置する設備を事業者が所有するスキームです。資本力の乏しい中小企業ではなかなか取り組むことができないモデルです。資本の充実した有力企業やリース会社、金融機関などとの連携が鍵を握るように思います。

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社
〒107-0052 東京都赤坂二丁目20番5号 デニス赤坂ビル5階
TEL:03-5544-9098
FAX:03-5544-9099
http://www.e-solar.co.jp

2022.01.19

PVeye

千葉商科大学、蓄電設備導入へ

 千葉商科大学(原科幸彦学長)は防災機能を高めるため、2022年2月から学内の施設に蓄電設備を導入する。既設の太陽光発電設備と合わせて災害時の非常電源として活用する。
 同大は08年、災続きを読む

2022.01.18

PVeye

サンテックパワージャパン、山口で太陽光発電所稼働 出力491kW

 太陽光パネル販売のサンテックパワージャパン(東京都新宿区、ガオ・ジャン社長)は2021年12月8日、山口市内で直流出力約491kWの太陽光発電所を稼働させたと発表した。子会社を通じて開発した。発電し続きを読む

2021.10.26

PVeye

村田製作所、工場に太陽光+大型蓄電池導入

 電子部品大手の村田製作所(中島規巨社長)は2021年10月14日、生産子会社の金津村田製作所に太陽光発電設備と大型蓄電設備を導入すると発表した。独自のエネルギー管理システムで運用し、11月1日より金続きを読む

2021.10.15

PVeye

レノバ、岩手で大規模太陽光発電所稼働 出力40MW

 レノバは2021年10月1日、出資先の合同会社軽米尊坊ソーラーで開発した岩手県九戸郡軽米町内の太陽光発電所を稼働させた。出力は40.8MW。発電した電力はFITを活用して東北電力へ全量売電する。続きを読む

2021.03.01

PVeye

ソニー、自己託送で全量自家消費

 ソニーが自社敷地外の太陽光発電設備から全量自家消費する自己託送を始める。太陽光発電所建設のFDと提携し、デジタルグリッドの電力取引プラットフォームを活用する。オフサイト自己託送で採算性を確保し、電力続きを読む

2021.03.01

PVeye

東ガス、PPA方式で東京建物の自己託送を支援

 東ガスは、再エネ電力の自己託送を支援する独自のサービスを開始する。第一弾は東京建物の物流施設に設置する太陽光発電設備で行う。(本誌・岡田浩一)

 東京ガス(内田高史社長続きを読む

2021.03.01

PVeye

パナソニック、太陽光パネル生産から撤退

 パナソニックが太陽光パネル生産から撤退する。旧三洋電機の超高効率セル『HIT』の技術を受け継ぎ、一時は「世界最高」の称号を武器に住宅用市場で販売シェアを伸ばしたが、その歴史に幕を閉じる。(本誌・岡田続きを読む

2021.03.01

PVeyePR

北の雄 アークが自家消費太陽光提案に本腰 電力代削減に寄与

 北海道の有力再生可能エネルギー会社、アーク(札幌市豊平区、渡邊賢二社長)が、自家消費用太陽光発電の提案に本腰を入れた。電気代の削減に貢献する。

 年間100件以上にのぼ続きを読む

2021.02.01

PVeyePR

ESI土肥社長が語る 太陽光ビジネスのあり方2021

脱炭素化の実現に取り組む姿勢を政府が鮮明にした。2021年太陽光発電業界はどうあるべきか。太陽光商社、ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥社長が語った。

 コロナ禍続きを読む

2021.01.04

PVeye

太陽電池の特許侵害騒動 韓ハンファ、競合3社と対立

 太陽光パネル大手の韓ハンファQセルズが、自社の特許侵害を巡り、ジンコソーラーら競合3社と世界各地で法廷闘争を繰り広げている。日本市場における3社の販売に影響が及ぶ可能性もないではない。(本誌・平沢元続きを読む