20年度3万台濃厚! 田淵電機の蓄電設備がヒットした理由

2021.01.04

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 ダイヤモンドエレクトリックHD傘下の田淵電機がハイブリッド型蓄電設備の販売を急速に伸ばしている。なぜヒットしたのか。

 田淵電機が2020年1月に発売したハイブリッド型蓄電設備、『EIBS7(アイビスセブン)』の売れ行きが好調だ。発売初年度にして出荷台数が1万台を突破し、従来機の『EIBS』と合わせれば、20年度は3万台に達する見通し。国内販売シェアは実に30%を超えている模様だ。
 EIBS7が売れる要因はいくつかある。
 第一に、FITの売電期間が終了する〝卒FIT〞の住宅用太陽光発電設備の利用者にうってつけの製品であること。そもそも、卒FIT設備の利用者は余剰電力の売電による経済メリットを前提に設備を導入しており、電力が多く余る。余剰電力をためられる蓄電設備の潜在ニーズが大きいのだが、単機能型の蓄電設備では蓄電設備内のPCS(パワーコンディショナ)と既設の太陽光発電用PCSの機能が重複してしまう。これに対して、田淵電機のハイブリッド型は設備内のPCSを蓄電池用としても太陽光発電用としても使えるため、PCSの買い替え時期が迫る卒FIT設備の利用者にとって好都合なのだ。
 第二に、全負荷対応であること。停電時に専用のコンセントなど特定の負荷にしか使えない蓄電設備とは異なり、EIBS7には宅内すべての電力をバックアップできる最大出力5.5kWのPCSが内蔵されている。停電時も大型エアコンやIH調理器など200V対応の家電製品が使えるのだ。しかも、蓄電容量7kWhの蓄電池を最大2台まで増設できるため、蓄電容量も申し分ない。利用者は停電時も普段と同じ生活を送れる。
 第三に、EIBS7には蓄電のタイミングや電力の使い方を選べる4つのモードが搭載されている。なかでも、深夜電力をためて朝方に放電し、昼間に太陽光電力をためて夕方から放電する1日2回の充放電モードは有効だ。深夜電力がお得なプランに加入してエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯器)などを使用している家庭にも合う製品なのである。

車と家をものづくりでつなぐ! 〝再点火反転攻勢〟で1000億円企業へ

 ダイヤモンドエレクトリックHDの傘下で再始動した田淵電機。今後はいかなる展開を図るのか。経営トップの小野社長が指針を示した。

 田淵電機は、残念ながら放漫経営、あるいは経営の不在によって経営破綻の憂き目に遭いました。2018年には事業再生ADRとなり、19年1月にダイヤモンドエレクトリックHDグループとなった経緯があります。それでも田淵電機には優れた技術を有したエンジニア達の想いが燻っていました。インパクトのある『EIBS7』を生み出せたのは、彼らによる社命を賭した開発があったからです。そこで、私はその想いに応えようと、田淵電機を救済、〝仲間化〟することを決断したのです。
 近年災害が続くなか、現在は新型コロナウイルスの感染拡大に人々が苦しんでいます。この国難の時に、我々は「生活を取り戻す力をみなさまの御家庭に」と銘打った『レジリエント・プロダクト』を開発してきました。我が社のこの理念がPCS(パワーコンディショナ)を通じてお客様の安全、安心に貢献していることは喜ばしい限りです。

「奇跡のもたれあい」

 ダイヤモンドエレクトリックHDの中核企業であるダイヤモンド電機は、長らくトヨタ自動車様をはじめとする国内外の自動車メーカー様に車載用基幹部品を供給してきました。自動車メーカー様の厳しい品質要求に何とか皆の力を合わせて応えてきたのです。
 しかし、かつての独禁法違反から私が社長に就任するまでの間、ダイヤモンド電機は人材や資金を大きく失いました。そのような我が社自責の困難にも関わらず、銀行様やお仕入先様、なによりもお客様からのご厚意ご支援を賜り、そのおかげさまで再生の一途を辿ることが叶っています。
 一方、田淵電機は従来、製品の販売には力を注いでいたものの、品質に対する姿勢は確かなものではありませんでした。私は社長就任当時から「お客様要求品質第一」の啓蒙活動に力を入れてきましたが、未だ一進一退の改善状況です。品質問題でご迷惑をお掛けしているお客様には大変申し訳なく思っています。
 だからこそ私は「奇跡のもたれあい」とも言うべき過去に例なく他に類見ぬ上場企業2社同時再生に全身全霊で取り組んでいます。2社とも経営の欠落によって実質破綻の憂き目に遭いましたが、優れた〝ものづくり〟の力は失われていません。それらを融合し、ワンチームとなってお客様要求品質第一に徹すれば、お客様から信頼され、満足を超えて感動されるものづくりが叶うと確信しています。
 むろん、最新の技術でさえ、優位であり続けることはなく、やがては陳腐化していきます。その宿命ともいうべき技術サイクルのなかでメーカーは存続していかなければなりません。
 ただ、幸いにも当グループは自動車関連と住宅関連のお客様と取引させていただいており、双方の分野は再生可能エネルギーをキーワードに重なり合うのです。だからこそ「車と家をものづくりでつなぐ」という新たなビジョンを掲げ、20年9月に中長期経営計画〝再点火反転攻勢版〟を発表しました。
 今後は、再エネの普及する未来に向け新規開発を継続し、技術の優位性を追求していきますが、まずはお客様要求品質第一に徹します。市場競争を徒や疎かにするつもりはありませんが、何よりもお客様のご要望に応え続けることによって、社会から必要とされる企業、すなわち〝公器〟としての存続を目指します。

田淵電機株式会社
〒532-0026 大阪市淀川区塚本一丁目15番27号
TEL 06-6195-5230(代表)
http://www.zbr.co.jp

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