ESI土肥社長が占う2021の太陽光市場「自家消費で地域に愛される電源へ」
2021.01.04
PVeye
太陽光関連商材を多く扱うヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥社長が、2021年の太陽光発電市場の動向を予測した。
再生可能エネルギーの需要は引き続き伸びるでしょうが、コロナ禍の影響も考慮すると、2021年の太陽光発電市場の動向に対して、私はそれほど楽観視していません。
たとえば、住宅用太陽光発電に関して、そもそも個人の消費がどれほど回復するでしょうか。確かに、新築住宅には太陽光発電設備が標準で搭載されるようになってきました。あるいは、自然災害が多いなか、既築住宅向けの設備導入も広がるでしょう。戸建住宅に占める太陽光搭載率は今後も上昇するように思いますが、コロナ禍の影響で経済的に苦しい方々が多いので、消費が本格的に回復する22年以降のように思います。
太陽光投資についても同様のことが言えます。すでに低圧太陽光発電所の全量売電案件の開発は制度変更によって冷え込んでいますが、営農用太陽光発電所の開発も、コロナ禍による投資欲の低下によって、低迷しているように思います。
高圧案件では、入札制の対象外である50〜250kWの領域は狙い目ですが、電力系統に連系できる建設用地が減ってきました。いかに適地を見つけ出せるかが鍵になるでしょう。一方で、250kW以上の入札案件はハードルが高い分野です。競争力のある企業しか案件を獲得できません。
つまり、今後は法人向け自家消費用設備の提案が益々進むでしょう。気候変動対策や『RE100』の観点もありますが、自然災害が頻発するなか、非常用電源になり得る再エネの価値が認知されてきました。BCP(事業継続計画)対策を目的に太陽光発電設備や蓄電設備を導入する中小企業が増えています。とくに無償で設備を導入できるPPA(電力売買契約)モデルは導入を希望される企業にとって選択の幅が広がります。企業は電力系統を使わずに直接電力を調達できるため、託送料がかからなくなり、既存の電力と遜色なく再エネ電力を活用できるのです。
ただ、いずれにせよ、市場形成の転機は、お客様に太陽光発電設備や蓄電設備をいかに負担なく導入していただけるような状況を生み出せるかだと思います。ごく自然に導入が進む状態にならない限り、マーケットは拡大しません。この辺りは、コロナ禍が収束し、景気が回復に転じる時期であるように思います。その時まで、再エネ企業は耐え忍びつつ、着々と準備を進めておくべきでしょう。
ともあれ、FITなどの国の助成制度がない形で太陽光発電の導入が進むというのが本来のあるべき姿でしょう。とくに分散型電源という特性上、太陽光発電は地域の資源になり得ますから、地域の方々に受け入れられ、愛されることが何よりも重要です。地域経済の発展に資する形で導入が進むというのが理想です。
ここは、補助金の仕組みや制度設計次第ですが、いま政府は〝緑の回復(グリーンリカバリー)〞を念頭に新しい政策の立案やFIP(フィード・イン・プレミアム制度)の制度設計を進めています。それらにも期待したところですが、やはり民間の力が問われています。そういう意味でも、21年は正念場の年と言えるのではないでしょうか。
ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社
〒107-0052 東京都赤坂二丁目20番5号 デニス赤坂ビル5階
TEL:03-5544-9098
FAX:03-5544-9099
http://www.e-solar.co.jp
2021.01.04
PVeye
太陽電池の特許侵害騒動 韓ハンファ、競合3社と対立
太陽光パネル大手の韓ハンファQセルズが、自社の特許侵害を巡り、ジンコソーラーら競合3社と世界各地で法廷闘争を繰り広げている。日本市場における3社の販売に影響が及ぶ可能性もないではない。(本誌・平沢元続きを読む
2021.01.04
PVeyePR
20年度3万台濃厚! 田淵電機の蓄電設備がヒットした理由
ダイヤモンドエレクトリックHD傘下の田淵電機がハイブリッド型蓄電設備の販売を急速に伸ばしている。なぜヒットしたのか。
田淵電機が2020年1月に発売したハイブリッド型続きを読む
2020.12.01
PVeye
ESI土肥社長が語るPPAモデルの可能性
様々な再エネ商材を扱うヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥社長が、ドイツの事情に照らし合わせて、PPAモデルの可能性について語った。
16年の電力小売りの全面続きを読む
2020.11.01
PVeyePR
ESI土肥社長が語る 住宅用再エネ市場の未来
太陽光発電設備や蓄電設備など様々な再エネ商材を扱うヨーロッパ・ソーラー・イノベーション。同社の土肥社長が住宅用再エネ市場の展望について語った。
一時期停滞気味であった続きを読む
2020.10.01
PVeyePR
ESI土肥社長が語る太陽光関連機器の技術革新
太陽光パネルやPCSが進化を遂げている。太陽光関連機器に詳しい太陽光商社、ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長はどう見るのか。
太陽光パネルやPCS(パ続きを読む
2020.09.01
PVeyePR
ESI土肥社長が語る転換期の太陽光ビジネス
FIT改正やコロナ禍で、転換期を迎えた太陽光発電ビジネス。企業はどう受け止め、事業を進めていくべきか。ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長が語った。
F続きを読む
2020.08.01
PVeyePR
ESI土肥社長が示したコロナ禍の太陽光ビジネス
いままたコロナ感染者が増え続け、早くも第二波の不安が高まるなか、太陽光関連企業はどのように事業と向き合えばよいのか。ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長が見解を示した。
続きを読む
2020.07.01
PVeye
米テスラが蓄電池出荷開始 価格競争過熱の可能性
米テスラが日本で住宅用蓄電設備の出荷を始めた。蓄電設備の価格競争が過熱するかもしれない。(本誌・岡田浩一)
「すでに蓄電池の第一号設置を終えた」。2020年6月、テス続きを読む
2020.07.01
PVeye
中インリーが法的整理 国有企業傘下で再建か
長く経営難に陥っていた太陽光パネル製造の中・インリーが法的整理に入った。債務を整理し、再建を目指すという。中国国有企業の参加で再始動する話も浮上している。(本誌・川副暁優)
インリー続きを読む
2020.07.01
PVeyePR
[特別対談第34回]太陽光と新電力の可能性 みらい電力中西芳比朗社長×ESI土肥宏吉社長
ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥社長による特別対談。お相手は名古屋市内に本拠を構える新電力会社、みらい電力の中西社長だ。太陽光と新電力の新和性について意見を交わした。
続きを読む