ESI土肥社長が語る

ドイツに見た日本の将来

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長

いま欧州の太陽光発電市場は、総じて伸びています。なかでもドイツ市場が最も大きく、2017年に1.76GWだった単年度導入量は、18年に2.96GWへ拡大し、恐らく19年はさらに上昇するものと思われます。予測では22年に4GW規模まで増えると言われていますから、今後は安定した成長が続くのでしょう。

最大の要因は、FITから自家消費に移行したということです。欧州の至る所で太陽光発電の発電コストが一般の電気代を下回り、自家消費のマーケットが立ち上がっています。その傾向は電気料金の高いドイツ市場で著しく、ドイツでは蓄電設備の導入も加速しています。

しかし、過去を振り返れば、かつてのドイツ市場は安定とはほど遠かったと言わざるを得ません。FITの政策変更に企業は翻弄され、これまでに多くの企業が撤退を余儀なくされました。何といっても、13年には単年度導入量が前年の7.6GWから3.69GWに約半減し、14年は1.9GW、15年には1.55GWまで冷え込んだのですから。厳しい企業間淘汰が進んだのです。