ESI土肥社長が語る

ドイツに見た日本の将来

その結果、ドイツ国内のパネルメーカーはほとんど撤退しました。それだけではありません。PCSや架台、蓄電池といった設備メーカーからEPC(設計・調達・建設)企業やO&M(管理・保守)業者まで、残った企業はごくわずかです。

背景にあるのは、競争力のある中国企業のドイツ進出ですが、そもそも太陽光関連ビジネスには、極めて高い専門技術や技能は求められず、それゆえ参入障壁が低いという点を認識しておくべきだと思います。だからこそ、ここまで太陽光発電が普及したとも言えるのですが。

さらにここに来て、ドイツではIoT(モノのインターネット)化やデジタル化が進んでいます。これにより、O&Mなどが急速に合理化され、ドイツでは発電事業を営むIPP(独立系発電)事業者が自前で手掛けているのが現状です。

とはいえ、ドイツ市場で淘汰されずに生き残った企業があります。世界へ展開する大手企業がひとつ。もうひとつは、ローカルエリアでエンドユーザーに複合提案を続ける中小企業です。日本でいえば、地域の販売・施工会社ですね。

これに倣えば、日本の太陽光関連企業は、大量生産や画一化、あるいはIoT化やデジタル化とは異なるところに付加価値を見出し、ビジネスモデルを構築していく必要があるのではないでしょうか。その点、FITの世界よりも、自家消費ビジネスの方が商機を見出せるように思います。

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