自家消費設計機能も完備!
進化するESIの設計支援サイト
太陽光関連設備の設計が誰でも簡単にできてしまうESIの設計支援サイト。自家消費用設備の設計機能が完備し、進化を遂げている。
ESI(ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション)が運営する太陽光発電設備の設計支援サイトで、自家消費用設備の設計機能が完備された。手順を解説していこう。
まず発電量のシミュレーションからだ。グーグルマップ上に施設の屋根を表示し、太陽光パネルの設置場所を最大10点まで細かく指定すれば、そのエリアのNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の日照データが読み込まれ、発電量が自動で算出される。さらに太陽光パネルの方位角や傾斜角、経年劣化率に初年度劣化率のほか、PCS(パワーコンディショナ)の出力や変換効率まで指定すれば、より精度の高い発電量が試算される。
次は電力消費量の試算だ。太陽光パネルを置く施設のタイプを、事務所や工場、倉庫、病院、スーパー・ドラッグストア、コンビニエンスストア、ホテルなどから選択すると、電力使用状況のアルゴリズムをもとに電力消費量が算出される。より細かく試算したければ、稼働時間や休日、長期休暇のほか、出力自動追従システムの有無まで設定するとよいだろう。
こうして発電量と施設の電力消費量を試算すれば、ほぼ終わり。設備を長期利用した場合の自家消費量や投資対効果などが、サイト上で確認できる。
もっとも、自家消費用やオンサイトPPA(電力売買契約)用の設備の設計は複雑だ。正解はひとつではない。それだけに、業者によって設計の内容が各々異なり、業者選びに悩む企業が多いのだろう。
これについて、土肥宏吉社長は、「当社のサイトをひとつの基準としてお使いいただくとよいでしょう。あるいは、設定条件を変えれば、瞬時にシミュレーションに反映されるため、業者の設計内容を確認するツールとして活用いただく方も増えています」と状況を語る。
事実、太陽光発電設備を導入する『RE100』加盟企業などが、ESIの設計支援サイトを活用し始めている。今後は『ゼロカーボンシティ』を宣言した地方自治体も間でも活用される機会が増ええることだろう。
というのも、ESIの設計支援サイトは使い勝手がよいのだ。太陽光パネルであれば、出力数や片面発電タイプ、両面発電タイプなどを、PCSは、出力数や単相、三相、自立運転機能の有無などを、それぞれ指定すれば、条件に合った製品が瞬時に表示される。
さらには、サイトが推奨する他のメーカーの設備まで表示され、パネルとPCSの最適な組み合わせや特定のPCSに対して指定した太陽光パネルの最大直列数や最大並列数まで算出される。
特筆すべきは、豊富なデータの量だ。太陽光パネルは、中・トリナ・ソーラーやJAソーラー、ジンコソーラー、ロンジソーラー、加・カナディアン・ソーラー、韓・ハンファQセルズのほか、シャープやソーラーフロンティアまで国内外600種類。PCSは、ダイヤゼブラ電機やオムロン、山洋電気、安川電機、パナソニックなどの日本製から独・SMAや中・ファーウェイ、サングロウ、グッドウィー、台・デルタ電子などの海外製まで220種類以上もある。このほか、蓄電設備や遠隔監視装置、出力制御装置、トランス、キュービクル、EV(電気自動車)用充電器から自然災害補償まで網羅しており、各々在庫状況まで確認できる。
機器類には、製品カタログやユーザーマニュアルが用意されており、サイト上で閲覧できる。また、サイト上の『ドキュメント』からメーカーを選ぶと、そのメーカーが扱うすべての製品を確認できるのだ。
サイト利用料は、企業アカウントが月額5万円の12ヵ月分で年間60万円だ。ESIの設計支援サイトはIT導入補助金の対象商品ゆえ、補助金を活用すれば、実質30万円と半額になる。これを活用しない手はない。