自家消費やリパワリングに最適

必見!GOODWEのPCS

置き換えやすいPCS

もっとも、GOODWEは、日本市場へ参入したPCSメーカーでは後発組だが、2010年の設立以来、世界100ヵ国以上に分散型PCSを供給し、累計出荷台数は200万台以上、容量換算で52GWを超えている。住宅用や商業用といった屋根上設置案件で数多く採用されており、最近は大規模な発電事業用向けの販売も伸ばしている。

同社は20年秋に日本で現地法人を立ち上げ、アフターサポートを含む体制を整備しつつ、事業展開を本格化させた。FITによる新設需要こそ収束しているが、代わりに新たな需要が出てきたからだ。すなわち、前述の自家消費用を中心とした〝非FIT〟需要と、リパワリング(改修による出力増)を含む交換需要である。実際、同社ではリパワリングを目的としたPCSへの引き合いが旺盛なようだ。

というのも、同社のPCSは複数の定格出力電圧を設定できる。具体的には420V、440V、480Vから選べるため、高圧太陽光発電設備に設置された既存のPCSからの置き換えに対応しやすい。中井氏は、「既存のPCSの出力・電圧に合わせられるので、絶縁トランスを交換せずに当社のPCSを設置できます」と話す。

しかも、PCSのMPPT(最大電力点追従)作動電圧範囲の下限や起動電圧が低いため、太陽光パネル側の設計変更を最小限にとどめられる。このことからも、設計や施工の手間を省けるリパワリングに最適なPCSと言えるだろう。

FIT開始から10年経ち、日本市場から撤退したPCSメーカーもあるだけに、発電事業者は、メーカーの長期保証が不履行になったり、保守費が嵩んだりするリスクを抱えている。集中型の大型PCSを設置した事業者の場合は、故障時の発電損失が大きいうえ、設置後10年程で大規模な修繕が発生しかねないという問題がある。そこで分散型PCSによるリパワリングを検討する事業者が増加しているのだ。

中井氏は、「リパワリングは保守費の削減や収入の増加に繋がるだけでなく、長期安定的に発電設備を運用していくためにも重要です」としたうえで、「低圧太陽光発電設備に対応したPCSの投入も検討していくつもりです」と語る。

同社は中国国内に4ヵ所の研究開発拠点を構え、700人の技術者を抱えるなど技術力の向上にも余念がない。最近ではPCSや蓄電設備にとどまらず、屋根材一体型太陽光パネルやEV(電気自動車)用急速充電設備も開発した。新時代に突入した日本では、見逃せない存在となりそうだ。

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