有力EPCが積極提案へ

ファーウェイのリパワリング用PCS

PCS交換で発電量5%増を確認

東亜電工の松尾孝繁社長(右)と大室善友専務取締役

岡山県の電気工事会社、東亜電工(岡山県新見市、松尾孝繁社長)は、ファーウェイ製PCSを扱ってきたEPC企業の1社である。これまで低圧太陽光発電所から特別高圧太陽光発電所まで、累計で172ヵ所、出力計32MWに及ぶ太陽光発電所を建設し、約70ヵ所の太陽光発電所でO&M(管理・保守)業務を請け負っている。

FIT開始当初は、国産の集中型PCSを使用していたが、2018年頃よりファーウェイ製の分散型PCSを扱うようになった。その理由について、同社の松尾孝繁社長は、「変換効率なども含めて総合的に製品の性能が高いうえ、メーカーのサポート体制が整っています。故障時の対応が早い点は魅力です」と述べる。

その同社は、これからファーウェイ製PCSを用いてリパワリング提案を始めるため、ある発電事業者の協力を得て23年3月より岡山県内の出力1MWの太陽光発電所で検証を始めた。具体的には、2台使用されている出力500kWの集中型PCSのうち1台を、ファーウェイ製のリパワリング用PCS9台に置き換えて、太陽光パネルの過積載率など条件を同一にして、PCSによる発電量の違いを比較したのである。

すると、ファーウェイ製PCSを使う方が、5%以上発電量が増えることが分かった。東亜電工の大室善友専務取締役は、「ファーウェイ製のリパワリング用PCSは1台に1MPPT(電力最大点追従)で分散型(複数台)になるため、実質のMPPTはPCSの台数分あることになり、同回路が1つしかない集中型PCSと比較して発電量が多くなったのでしょう」と述べる。

同社はさらにオプティマイザを用いる検証も行う予定だ。太陽光パネル1枚単位で発電量を最適化できるため、影がかかりやすいストリング内のパネルに設置するだけでも発電量の最大化が図れると見込んでいる。