系統用蓄電所のあるべきO&M体制
系統用蓄電所のO&Mはどうあるべきか。アグリゲータのRE100電力をグループ会社に持つ日本エネルギー総合システムの黒淵誠二社長が見解を述べた。

日エネグループは、蓄電所の開発を進めつつ、稼働後はアグリゲーションからO&Mまで徹底して顧客の試算を守り抜く方針だ
系統用蓄電事業における収益源の柱は、言うまでもなく需給調整市場の取引です。ルールが二転三転して不確定な要素があるにしても、高収益が得られやすい一次調整力取引は特に重要です。ただし、これに関しては、トラブルなく系統用蓄電所が稼働するという前提の話になります。落札後に不慮の事故で系統用蓄電所が止まってしまうと、これは収入の減少を意味し、場合によっては大きな損失に発展しかねません。
というのも、需給調整市場に参加する蓄電事業者は、一般送配電事業者からの指令に応じて電力の安定供給に貢献するという重責を担っています。供出義務の不履行は、電力インフラを支える事業者としての信頼を損ねることとなり、予期せぬ蓄電所の稼働停止などは、状況を正確にいち早く一般送配電事業者に報告しなければ、評価は下がります。
これについては、太陽光発電所のO&M業者に問題があると言っているわけでは決してありません。万が一の緊急時に現場へ駆けつけることは当然重要なことです。ただし、系統用蓄電所の場合は、需給調整市場での取引を代行するアグリゲータの判断で動くという形を徹底しなければ、需給調整市場のルールに反してしまい、結果的に蓄電事業者の収益低下に陥りかねないのです。
ここで、報告が遅れたり、あるいは報告の内容が不適切だったりすると、供出義務の不履行が繰り返されることとなり、ペナルティで収益が大きく減額されます。最悪の場合は、一定期間、需給調整市場からの離脱を余儀なくされてしまうのです。
だから、需給調整市場の一次調整力取引を代行するアグリゲータは、基本的には24時間365日体制で監視しています。そのうえで万が一のトラブルが生じた場合は、何よりも一般送配電事業者への報告を優先するのですが、この辺りの事情が太陽光発電所のO&M(管理・保守)業者に求められる緊急対応とは大きく異なります。だから、系統用蓄電所のO&Mに関しては、アグリゲータが頭に立って、まとめて請け負い、そこから太陽光発電所のO&M業者に業務を委託するというのが、あるべき形ではないかと思うのです。

