[荒尾市]
熊本県荒尾市は2026年2月13日、脱炭素先行地域に採択された。市はどのように計画の実行性を高めたのか。

荒尾市は、中心市街地の活性化を目的に2011年に廃止された荒尾競馬場跡地の35haを活用した再開発を進めている。そこで、再開発の地を脱炭素先行地域事業のエリアの一つに設定し、街づくりと同時に脱炭素化を進める計画を立てた。
計画では、地域エネルギー会社の有明エナジーを中心に、PPA(電力売買契約)方式で再生可能エネルギー設備を導入し、エリア一帯の電力を管理しつつ再エネの〝地産地消〟を推進する。
もっとも、市は17年に有明エナジーが設立されてから、再エネの導入に力を入れてきた。22年3月には重点対策加速化事業に採択され、これまで太陽光発電設備を法人向けに30件1.2MW、住宅向けに118件544kW導入してきた。
脱炭素先行地域ではPPA事業をさらに拡げるため、有明エナジーは肥後銀行と連携し、肥後銀行による金利の優遇を反映してPPA単価を下げる。さらに、PPAを締結した企業へ二酸化炭素排出量の算定ツールを無償で提供するなど企業向け脱炭素化支援を拡充する。
一方、有明エナジーは、FITのバイオマス発電所2基を〝FIP(フィード・イン・プレミアム制度)転〟して再エネ電力を買取り、市内に供給する。さらに、蓄電容量8000kWhの蓄電設備を3基設置し、バイオマス発電の余剰電力を蓄電池にためつつ、系統電力も活用して市場取引を行う。地域新電力会社の経営基盤を安定させる考えだ。
市は、内閣府の『地域再生エリアマネジメント負担金制度』を活用し、エネルギー事業の収益を地域内で循環させる仕組みを講じた。有明エナジーのほか、エリア内で開発を進める複数の事業者から負担金を徴収し、電動モビリティの導入など、エリア内の脱炭素化や環境保全の費用に充てる計画だ。
再開発エリアには複数企業が立地を決めており、26年6月には太陽光発電設備や蓄電設備を設置する道の駅が開業される予定だ。
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