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太陽光部材、価格高騰なお続く 原材料高、海運費上昇に円安

原材料高などの影響で、太陽光パネルや架台の価格が上昇して1年以上経過したが、いまだに落ち着く兆しが見えない。(本誌・岡田浩一)

太陽光発電設備の価格が高騰した。2021年年初と比べると、太陽光パネルはW単価20円台半ばが同30円台半ばへ1.4倍に上昇したほか、低圧用架台は21年年初比1.3倍のkW単価1.6万円程へ、メガソーラー用架台は同比1.5倍の同1.2万円程へ、それぞれ上昇している。

主因は原材料高だ。太陽電池セル用のポリシリコンをはじめ、ケーブルや銅、樹脂、鉄、アルミまで価格が高騰しており、事実、中国では21年4月時に1t1.8万元だったアルミ材が現在2.3万元へ上昇したという。

メーカー側の対策は限られているようで、架台を製造する中・アップソーラーの日本法人、アップソーラージャパンの佐藤彰副社長が「架台の価格はほぼ材料費と同じで価格低減は難しい」と言えば、中国の架台メーカー、グレースソーラーのケン・ホン海外営業部長も、「架台の原価は90%が材料費。安い時に大量にアルミ材を購入しているが、抜本的な対策はない」と語る。

PCS(パワーコンディショナ)も状況は同じだ。原材料の半導体などが高騰しており、オムロンソーシアルソリューションズは「複数の材料仕入れ先から値上げ要請があり、原価の上昇は避けられない。売値にどの程度反映させるか、検討中だ」としている。

一方で海上輸送費が上昇している。日本海事センターによれば、中国・香港から横浜までの40フィートコンテナ代が21年1月時の2450米ドルから22年1月には3400米ドルへ高騰。アップソーラージャパンの佐藤副社長は、「原材料高よりも影響は小さいものの、海運費がさらに上がると、状況は一層厳しくなる」と嘆く。

為替の変動も看過できない。22年3月1日時の1米ドル115円が3月末には同122円へと急速に円安が進んだ。4月11日には125円を超え、さらに加速しそうだ。部材を輸入する日本の太陽光発電産業にとって、さらなる価格上昇は避けられない情勢である。

こうした部材価格の高騰は複数の要因が絡んでおり、対策は講じ難いが、再生可能エネルギー商社WQの波多野隆司取締役CSOは、「コンテナの値動きを予測して安い時に運ぶほか、架台の量を減らすため、施工会社へパネルの配置レイアウトを再考してもらっている」と状況を語った。

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