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東京センチュリーら、寄付型オンサイトPPA開始

収益の一部をNPOなどに還元

リース大手の東京センチュリーは2022年6月29日、京セラ及び京セラコミュニケーションシステム(=KCCS)と寄付型のオンサイトPPA(電力売買契約)事業を開始すると発表した。顧客の企業価値の向上効果をさらに高める狙いだ。

同社ら3社は18年から法人向けのオンサイトPPA事業を展開。東京センチュリーがPPA事業者を、京セラが太陽光発電設備の供給を、KCCSがEPC(設計・調達・建設)やO&M(管理・保守)を受託する仕組みだ。東証プライム上場企業を中心にこれまで23件約16MWのPPAを締結してきたが、このほどSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた活動を推進する公益社団法人やNPO(特定非営利活動法人)に寄付する新モデルを構築した。

東京センチュリー法人営業第一部営業第二グループの所裕太担当課長は、「顧客からSDGsへの貢献度をさらに高められないかという声を受け、環境保護や社会的包摂団体への寄付を組み込んだ」と説明する。

寄付型PPAは、通常のオンサイトPPAと仕組みは同じだが、東京センチュリーがPPAで徴収したサービス料を含む収益の一部をNPOなどに寄付する。東京センチュリーが寄付分を予算化したうえでオンサイトPPAの仕組みに組み込むため、PPA単価への影響はないという。寄付額の算定方式などについては顧客と協議して決定する。

所担当課長は、「IR(投資家向け広報)による効果や企業価値が向上するうえ、当社が寄付するため費用負担もない。顧客の意向を踏まえて寄付先を決めるので、地域貢献度の高い団体を選んで支援できる」と利点を語る。

近年、顧客に初期投資が発生しない形で太陽光発電設備を設置するオンサイトPPA案件が増えている。同社法人営業第一部営業第二グループの松田光生次長は、「足元の電気料金が上昇傾向にあるなかで、長期価格を固定できるオンサイトPPAの需要は伸びている」という。PPA単価以外で比較がし難い側面もあるなかで、今回の取り組みは新たな差別化要因になるかもしれない。

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