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東電PG、子会社で太陽光発電所開発支援開始

演算処理装置で電力需要を創出

東京電力パワーグリッドの子会社、アジャイルエナジーエックス(東京都港区、立岩健二社長)は2022年10月1日、太陽光発電所の開発支援を始めた。開発用地にコンピュータを設置し、一時的に電力需要を創出して系統連系協議中のみ再生可能エネルギー電力を買取る。23年内の導入を目指す。

太陽光発電所が普及するなか、電力会社との系統連系協議が長期化しており、開発が進まないという課題がある。そこで同社は開発用地で電力需要を一時的に創出する仕組みを開発した。

具体的には、複数のコンピュータの演算機能をクラウド上でまとめ、高度な演算処理を行う分散コンピューティングシステムを採用。開発用地にコンピュータを収納した20フィートコンテナを設置して太陽光発電所の電力を使う。当面はビットコインのマイニングに活用し、今後は演算処理機能を依頼者に販売する考えだ。なお、マイニング用の装置は1台あたり出力1~3kW程度で、約250kW分をコンテナ内に収納するという。

同社の立岩社長は、「発電事業者には、系統接続までの間、当社に売電してもらい、連系後は当初の売り先に変更してもらう。電力消費者の場合は、余剰電力を一時的に売電してもらう形になるだろう」とし、「マイニングは分散コンピューティングシステムと同じ仕組み。どの時間でも実施でき、柔軟な電力需要となる」と話す。

同社は今後、需給調整市場に調整力を販売する予定だ。系統混雑時の電力需要を創出することで、混雑解消料を得ることができるという。また出力抑制時の上げDR(需要応答)としての利用も可能だとしている。

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