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あいおいニッセイ、PPA業者向け保険発売

損害保険大手のあいおいニッセイ同和損害保険(東京都渋谷区、新納啓介社長)は2022年11月4日、太陽光発電設備のPPA事業を手掛ける業者向けの保険を発売した。PPA事業のリスクを総合的に補填し、再生可能エネルギーの普及を後押しする構えだ。

PPA事業のリスクは、自然災害などで発電設備が破損したり、二次被害が発生したりする事故のリスクだけではない。設備が損壊すれば、代わりに環境価値付き再エネ電力を外部から調達しなければならないし、電力卸売・小売り業者が吸収できないインバランスリスクを負う場合もある。そこで同社は様々なリスクを包括的に補う保険を商品化した。

具体的には、発電設備の破損や二次被害などのリスクを既存の損害保険や見舞金保険で補填し、顧客に再エネを販売できなくなった際の環境証書の調達費負担は包括職業賠償責任保険で補う。このほかインバランス費用の負担は、超過費用補償保険で補償するという。ただし、環境価値付き再エネ電力の代替調達費用やインバランス費用の補償に関しては、火災・自然災害等の事故で設備が破損した場合のみ補償するという条件を設けている。

同社マーケット開発部の小林秀行担当課長は、「PPAの内容は様々で、リスクの幅が広いため、既存の保険と新しい保険を組み合わせる必要があった」と経緯を語る。

対象設備は、低圧太陽光発電設備から特別高圧太陽光発電設備までオフサイト型も含めたすべてのPPA用の発電設備である。年間の保険料は、PPA業者の契約数や過去の災害時の被害規模などで異なるが、最低でも年間数百万円程はかかる。契約は1年毎の更新で、その都度、事業者はリスクに応じて6つの保険を組み合わせることができる。

同社は、まずEPC(設計・調達・建設)企業のサンヴィレッジと契約を交わす模様だ。今後は販売代理店を通じて商品を拡販し、25年までに売上規模20億円を目指す。

同社商品・CSV×DX企画部次世代商品R&DLab室の堀越洋平担当課長は、「PPA業者を保険で支援することによって、企業が再エネ電力を安定的に調達できる仕組みを築いていきたい」と展望を語る。

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