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ホシデン、ペロブスカイト太陽電池生産に参入

3年内商用化へ

ペロブスカイト太陽電池

電子部品メーカーのホシデン(大阪府八尾市、古橋健士社長)は2021年4月19日、ペロブスカイト太陽電池を製造すると発表した。液晶ディスプレイで使う透明電極基材を活用して製造原価を削減する狙い。24年までに韓国やベトナムのフィルム型タッチパネル生産工場での量産を目指す。

同社は21年中に試験生産を行い、事業性を評価したうえで22年に子会社ホシデンエフディのタッチパネル製造ラインに太陽電池セル製造設備を導入。23年中に日本でIoT(モノのインターネット化)機器の電源やモバイル機器向けに月産10万個程度販売する計画である。

ペロブスカイト太陽電池が有機物と化合物を配合したナノレベルの薄膜ゆえ、原料費を削減できることと、150~170℃の低温で製造でき、既存設備の活用によって製造原価を抑えられる点から事業に参入した。同社表示部品生産統括部の滝川満統括部長は、「ペロブスカイト太陽電池は原材料が逼迫するなどの心配がない」と話す。

同社はペロブスカイト太陽電池が高照度のみならず室内光など、低照度の光も吸収でき、変換効率を高められることから、低照度の環境で変換効率25%を目指すという。

一方で、材料に有害物質の鉛を使用することによる環境影響の低減が課題であるとし、滝川部長は「材料を置き換えつつ、変換効率を向上させたい」と述べた。

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