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東京センチュリー、太陽光発電所の資産管理で東ガス系、京セラ系と実証開始

実証対象とする東京センチュリー連結子会社が保有する太陽光発電所例(宮城・黒川メガソーラー発電所(上)、神奈川・中山屋上ソーラー発電所)

東京センチュリー(野上誠社長)は2021年4月、太陽光発電所の資産管理の適正化を図る実証事業に着手した。発電量データなどをもとに、経済合理的な運用法を検証し、新会社の設立も視野に入れる。

同社が所有する国内の地上設置型や水上設置型、屋根設置の太陽光発電設備を対象とする。これまでに稼働させた135ヵ所、出力計1GW規模の太陽光発電所における発電量や警報といったデータを分析し、保守の最適化や管理費の低減などを進める。

同社環境エネルギー第一部の澤井創一部付部長は、「IT技術を使って、我々が蓄積した発電所の各データを棚卸し、〝見える化〟する。設備改修も含め、稼働中の発電所の最適な運用法を模索していく」と方針を示し、まずは1年間の実証事業を行う。

今回の実証事業では、エネルギーインフラの知見が豊富な東京ガス100%子会社の東京ガスエンジニアリングソリューションズ(=TGES、小西康弘社長)や、太陽光発電技術のノウハウを持つ京セラ子会社、京セラコミュニケーションシステム(=KCCS、黒瀬善仁社長)と協業する。TGES再生可能エネルギー事業化プロジェクトの宮本昌幸氏は、「発電量の低下原因をエンジニアリング視点で仮説を作り、劣化分析、高コストな現場訪問を減らす」という。KCCSエンジニアリング事業本部の南木康弘O&M事業部長は、「太陽光発電設備の効率的な管理運用を確立し、発電量の向上や運用管理コストの削減で、設備の価値向上を目指す」と話す。

東京センチュリーはFIP(フィード・イン・プレミアム制度)をはじめ、非FITの開発事業も検討しており、同社執行役員の荻野広明スペシャリティ営業第一部門長補佐は、「出力抑制における経済損失と蓄電設備導入による経済効果を比べるなど、今回の実証試験では非FIT事業の採算性も探っていきたい」と展望を語る。

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