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PVeye 2021年1月号
特集「再生可能エネルギー大予測2021」
政府が掲げる2050年の脱炭素化に向け、再生可能エネルギーにかかる期待は大きい。ならば、再エネ企業は、いち早くFIT依存から脱却し、独り立ちするべきであろう。すでに新事業は芽吹いている。PPA(電力売買契約)モデルを含めた太陽光発電設備の自家消費提案をはじめ、民間の再エネ取引所や〝民間FIT〟による太陽光発電所の開発である。そして22年からFIP(フィード・イン・プレミアム制度)が導入され、アグリゲーションなどこれまでになかったビジネスが生まれる。21年の再エネ市場を予測した。
脱炭素社会の実現へキーワードは〝非FIT〟2020年はコロナ禍や低圧太陽光発電の制度変更の影響を受け、再エネ企業にとって厳しい1年だった。だが、国の脱炭素化宣言が打ち出され、再エネへの期待が高まっている。21年の再エネ市場はどう変化するのか。
「FIPの期待収入はFITと同じ」
経済産業省資源エネルギー庁
清水淳太郎新エネルギー課長
2020年の再エネ政策の振り返りと、詳細設計を進めるFIPについて、清水新エネルギー課長が語った。
羽田空港で
自家消費用太陽光発電が稼働
空港関連の不動産賃貸を手掛ける空港施設(東京都大田区、甲斐正彰社長)は2020年12月、自社が賃貸管理を行う羽田空港内の2施設に出力計1MW超の自家消費用太陽光発電設備を導入し、稼働した。1億円のグリーンボンド(環境債)を発行するなどして資金を調達。他施設への自家消費用設備の導入も検討していく。
中小企業や自治体にも浸透
再エネ需要が急拡大する
2020年は大手企業を中心に再エネ電力の需要が伸びた。21年はさらに中小企業や自治体に広がり、再エネ需要は急拡大するだろう。
「再エネの最大限の活用が、
脱炭素社会への唯一の道」
自然エネルギー財団
大野輝之常務理事
2050年までに日本が脱炭素社会を実現するためには何が必要か。自然エネルギー財団の大野常務理事が語った。
鍵握る発電量予測技術
FIPで再エネ市場覚醒か
2022年4月から始動するFIP。アグリゲーションなどの新事業が立ち上がれば、再エネ発電所の開発は続く。鍵は発電量予測の技術であろう。21年にも再エネ市場は覚醒しそうだ。
販売・施工会社撤退続出も
〝非FIT〟事業が確立
事業用低圧太陽光発電所の新規開発の道が閉ざされたうえ、コロナ禍で自家消費提案ができず、多くの販売・施工会社が疲弊している。だが一方で、FITに依存しない事業モデルを築く企業も現れる。
再エネ電力を自由に取引
再エネ新市場が始動する
再エネ電力の需要が高まるにつれ、P2P電力取引が増えていく。一方でVPPが実用段階に入り、アグリゲーション事業が生まれる。2021年は再エネ関連の新しい市場が立ち上がる。
海外勢本格参入で
産業用蓄電池市場が過熱
VPPの実用化やFIPの導入が迫り、産業用蓄電設備への関心が高まっている。海外メーカーの参入によりコスト低減が進み、21年は市場が過熱しそうだ。
「合理的かつ適正な規制改革を」
都留文科大学地域社会学科
高橋洋 教授
再エネの普及拡大に向け、解決すべき課題は何か。再エネ規制を総点検する河野太郎規制改革担当大臣主宰のタスクフォースで構成員を務める高橋教授が語った。
【関東】
成長継続へ問われる経営手腕
商機を探る再エネ企業
首都圏を含む南関東と太陽光発電所が多く立地する北関東。FIT後も成長を続けるべく挑戦を厭わない関東の再エネ企業に迫った。
ゼック、
独アグリゲータ企業と合弁設立
FIP発電事業者向け
支援サービス提供へ
太陽光発電所の分譲ファンドの販売・運用を手掛けるゼック(東京都中央区)は、ドイツのアグリゲータ企業であるインパワーと提携し、日本で事業を行う合弁会社を設立した。FIP(フィード・イン・プレミアム制度)を活用する再エネ発電事業者向けの支援サービスを提供していく。
太陽電池の特許侵害騒動
韓ハンファ、競合3社と対立
太陽光パネル大手の韓ハンファQセルズが、自社の特許侵害を巡り、ジンコソーラーら競合3社と世界各地で法廷闘争を繰り広げている。日本市場における3社の販売に影響が及ぶ可能性もないではない。
21年度のFIT議論開始
2年分の売価決定へ
2020年11月27日に開かれた調達価格等算定委員会で21年度の太陽光発電のFIT売電単価の議論が行われた。22年4月1日の改正法施行を控え、21年度は現行法最後の年だ。入札対象外の事業用太陽光と住宅用太陽光は向こう2年分の売電単価を設定する。
Vol.56 新宮川発電所
第18回
情報を公開せよ
新電力コンサル、アンプレナジーの村谷氏が、自治体新電力会社が経営状態を公開する重要性について語る。
ドイツの脱炭素戦略②
鍵は建物と交通の省エネ化
ドイツの脱炭素戦略において、前回は再エネの利用拡大や水素技術の活用を取り上げたが、今回は省エネの重要性について解説する。
日東エルマテリアル、車から給電可能な設備を本格販売開始
ベイサン、携帯充電用製品発売へ
ACSLとワールドリンク、パネル診断用のサービスとドローンの一括提供開始
オンウェーブ、薄膜太陽光パネルの新製品発売
エナジー・ソリューションズ、高圧太陽光発電所が稼働
台ネクストドライブ、HEMSパッケージ発売
日建設計、岐阜県内の中学校でZEB達成
BM長野、中・ソーラーⅩの日本総代理店に
日本ゼオン
色素増感太陽電池の独立電源発売
トリナ・ソーラー
屋根上設置向け新型太陽光パネルを開発
戸上電機製作所
アークフォルト監視装置発売
火災事故防止に
第5回 オンライン営業
今回のテーマは、オンライン営業である。
コロナ禍が収束する気配が見えないなか、
オンラインを活用した営業手法の重要性は
高まり続けていると言えるだろう。
世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールスポット価格)/ZEH関連データ/日本卸電力取引所におけるスポット市場の平均取引価格推移/東証インフラファンド市場における上場銘柄の株価推移/世界太陽光関連企業 決算データ
発刊日 | 2020年12月25日 |
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定価 | 1,980円 |
コード | 80109-12 4910801091205 01800 |