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PVeye 2022年10月号

特集「〝全戸太陽光〟新時代を占う 大予測! 住宅再エネ市場の未来」

全ての新築戸建住宅に太陽光パネルが搭載される〝全戸太陽光〟へのシナリオが現実味を帯びてきた。東京都や川崎市が新築住宅への太陽光発電設備の設置義務化を進めれば、環境省は家庭部門の脱炭素化から進める脱炭素先行地域事業を強化。地域脱炭素化の大潮流と相俟って、そう遠くない未来に全戸太陽光時代が到来するかもしれない。実現すれば、住宅用太陽光発電設備の需要が再燃するばかりか、蓄電設備や省エネ設備のほか、EV(電気自動車)やV2H(車から住宅への電力供給)設備に太陽光パネル搭載カーポートまで導入が加速するだろう。ではそのとき、市場の構造はどう変わり、どのような新商機が生まれるのか。住宅用再生可能エネルギー市場の未来を大胆に予測してみた。
(本誌・岡田浩一、楓崇志、中馬成美)

住宅用太陽光が30年経過

いまなお順調に稼働

太陽光発電技術研究組合 桑野幸徳名誉顧問

日本で初めて住宅に設置された太陽光発電設備が30年を迎えた。〝太陽光の父〟桑野氏の自宅に設置された設備である。桑野氏が思いを述べた。

 

未来①予測

商流・産業構造

新顔登場で一変の可能性も

住宅産業が基本にある住宅用再エネ市場。現時点で商流や産業構造の変化は限定的だが、無償設置モデルの登場で新規参入が相次ぐ。変化の前触れかもしれない。

 

ナイス、工務店のZEH化を一気通貫で支援

自治体で住宅用太陽光の設置義務化の検討が進むなか、工務店やビルダーを支援する動きが出てきた。建築資材を卸売するナイス(横浜市鶴見区、杉田理之社長)は2022年7月末、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化を支援するサービスを開始した。

 

地域再生の切り札に

鳥取県が住宅用PPA開始

地方行政がPPA方式による住宅用太陽光発電の導入促進を始めた。鳥取県の『鳥取スタイルPPA』だ。どのような仕組みなのか。

 

Interview

識者の視点

東京都や川崎市が住宅用太陽光発電設備の設置義務化の導入を検討しているが、どのような意義や効果があるのか。2人の識者が語った。

 

未来➁予測

進むコスト低減

蓄電設備が標準搭載へ

〝全戸太陽光〟新時代には、住宅用再エネ設備のコスト低減が進む。蓄電設備の価格低減も進展し、標準搭載されているはずだ。

 

長府工産、屋外用トライブリッド型蓄電設備を発売

 

再生可能エネルギー商社の長府工産(山口県下関市、伊奈紀道社長)は2022年9月、トライブリッド型蓄電設備を発売した。蓄電容量7.4kWhと14.9kWhの2種を、いずれも屋外設置専用品として商品化した。初年度3600台の受注を目指す。

 

未来➂予測

物販からの脱却

サービス開発加速へ

コモディティ化が進む太陽光発電設備。〝全戸太陽光〟新時代に向け、サービス開発が加速しそうだ。

 

未来④予測

既築住宅向け主要商材

太陽光以外に多様化

〝全戸太陽光〟時代が到来すれば、既築住宅向けの再エネ設備市場は大きく変わるはずだ。すでに変化の兆しは現れている。

 

東電EP、既築住宅向けに

PPAとカバー工法のセット提供開始

東電EPは2022年8月22日、太陽光発電設備などのPPAサービスにカバー工法による屋根リフォームを組み合わせた新メニューの提供を開始した。屋根改修を同時に行うことで、既築住宅での導入を加速させたい構えだ。

 

設置制約を突破できるか

メーカーの創意工夫

〝全戸太陽光〟新時代には、積雪地域や狭小屋根など設置困難な場所にも太陽光発電設備が導入されているはずだ。果たして設置制約は乗り越えられるのか。

 

〝全戸太陽光〟への障壁

パネル廃棄問題の実態

〝全戸太陽光〟時代の障壁となるのが、使用済みパネルの廃棄問題だ。リサイクルやリユース事業に参入する企業が相次いでいるが、問題はまだ解消していない。

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地方見聞録

【中四国】

材不足、資材高騰で停滞感も

地域脱炭素化に

商機の兆し

材不足や資材高は深刻で、中四国地方の再エネ企業も例外なく影響を受けている。法人向け自家消費の需要は旺盛でも、工事は停滞ぎみだ。(本誌・岡田浩一)

  
      

 

低圧太陽光にFIP適用へ

審議会で検討開始

低圧太陽光発電所の新規開発が再び加速するかもしれない。経産省は低圧太陽光発電設備をFIPの適用対象とする方向に転じた。(本誌・楓崇志)

 

メガ、地銀が再エネ事業に参入

非FIT開発支援、PPAなど続々

脱炭素化が加速するなか、メガバンクや地方銀行が相次ぎ再エネ事業に参入した。非FIT太陽光発電所の開発支援やPPAなど、金融支援の枠を超えた事業運営に乗り出す狙いだ。(本誌・楓崇志、中馬成美、土屋賢太)

 

 

不当な〝飛び地ソーラー〟に

環境省が「待った」

複数の発電設備を自営線で繋いで同一の太陽光発電所と見做す〝飛び地ソーラー〟の開発に環境省が待ったをかけた。不当な開発の実態が浮き彫りになった。(本誌・香遠優太)

         
 
               
       
          
 
 
 
 
         

Vol.77

メントマリ公園内設置

9kWレンズ風車

​奄美群島南西部の沖永良部島にある小型風力発電所。鹿児島県知名町が実証試験の際に蓄電設備などとともに設置した完全自家消費型の再生可能エネルギー設備で、電力は近隣のホテルで使うEV(電気自動車)の燃料用として活用されている。

 

「エネルギーマネジメントとPPAで脱炭素化を支援していく」

秋田智一

アイ・グリッド・ソリューションズ代表取締役社長

エネルギーマネジメントの技術を核に業績を伸ばすアイ・グリッド・ソリューションズ。グループの年商は200億円に達する見込みだ。同社を率いる秋田社長がビジョンを語った。

 
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SBエナジー、アグリゲータ向け

業務支援を開始

ソフトバンクグループ子会社のSBエナジーは2022年8月31日、アグリゲータ向けのサービスを始めた。分散型電源を束ねるアグリゲータの業務内容を考慮し、AIを活用したクラウドサービスを提供する。

 

サンヴィレッジ

非FIT事業で

相次ぎ提携

EPCを手掛けるサンヴィレッジ(栃木県足利市、綱川典男社長)が非FIT再エネ事業に積極的だ。提携や協業を相次いで発表し、取り組みを加速させている。

 

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低調続くFIT・FIP入札

22年度第2回は募集容量に遠く及ばず

 

 

イーレックス、台湾の太陽光発電事業に参画

出力55MW

 

エネオスら、合弁で再エネPPA会社設立

 

中・ジンコ、22年上期パネル18.2GW出荷

2年振りに上期首位へ

 

テラモーターズ

工場などにEV充電器の無償設置開始

 

静ガスグループ、イクトとO&M会社設立

 

鈴与商事、東京海上日動と地域脱炭素化で業務提携

コンソ形成も計画

 

双日、住宅用蓄電設備販売へ

台プラと協業

 

沖電気子会社、産業用オンサイトPPA開始

 

経産省蓄電池人材育成に向けコンソ発足

 

伊藤忠商事住宅用蓄電設備の改良版を発売

 

ループ、有機薄膜太陽電池発売

 

ファイブワークス、太陽光パネル洗浄機販売

 

丸紅、中古太陽光発電所の買取・販売開始

 

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ソリッド

太陽光パネル搭載カメラ発売

 

太陽工房

太陽光パネル+蓄電池の可搬型電源発売

  
           
       
                  

[第39回]

FIP発電事業者のための

長期卸供給の方策

FIPを活用する発電事業者が新電力会社と長期の電力卸契約を結ぶためには何が必要なのか。アンプレナジーの村谷社長が方策を示した。

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世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールスポット価格)/経済産業省及び環境省における主な太陽光発電関連の2023年度概算要求/日本卸電力取引所におけるスポット市場の平均取引価格推移/東証インフラファンド市場における上場銘柄の株価推移/世界太陽光関連企業 決算データ

 

 

[米子市]

地域新電力会社を中心に再エネの導入を推進してきた鳥取県米子市。脱炭素先行地域に選定され、再エネの導入に弾みをつけた。

 

 

再エネ企業の短期経済観測調査

太陽光商材、軒並み価格上昇  パネル仕入れ値は12%高

再エネ関連企業の経済動向の把握を目的に短期経済観測調査を実施した。太陽光関連の商材価格が軒並み上昇しており、なかでも太陽光パネルの仕入れ価格の上昇率が高いことがわかった。

 

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発刊日 2022年09月24日
定価 1,980円
コード 491080109092501800

PVeye 2024年5月号

機器交換から蓄電池併設まで 徹底解説!太陽光発電所バリューアップ術

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2024年04月25日
定価:
1,980円

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PVeye 2024年4月号

安定成長に漂う不透明感 オンサイト太陽光最前線

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2024年03月25日
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PVeye 2024年3月号

過熱する開発競争 蓄電池ビジネスの全貌

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2024年02月24日
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PVeye 2024年2月号

再生可能エネルギー 市場別分析2024

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2024年01月25日
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PVeye 2024年1月号

飛躍の年になるか 再エネ大予測2024

発刊日:
2023年12月25日
定価:
1,980円

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