両面発電パネルの強い味方

ファーウェイPCSで発電量を最大化

PCS世界最大手の中ファーウェイ(華為技術)。最近の注目製品は両面発電パネルと相性のよい中型PCSだ。実力に迫った。

ファーウェイの中型PCSの外観

発電量の向上を図るうえで、両面発電パネルの採用は有力な選択肢だ。雪が降り積もっていたり、白色の防草シートを使用していたりすると、反射光を多く取り込み、一般のパネルよりも発電量が30%以上増えるという報告もある。

ただ、ファーウェイジャパンの担当者は、「せっかく増えた発電量がPCS(パワーコンディショナ)の性能によって失われてしまうこともあります」と警鐘を鳴らし、「両面発電パネルを採用する際は特にマルチMPPT(最大電力点追従制御)を搭載したPCSと使用することが重要です」と強調する。

そもそも発電量は、電流と電圧の積算で求められるが、電圧値が上昇すると電流値は下がってしまう。そこで電圧と電流の積算値が最大になるよう電圧値を自動調節するMPPT回路の出番なのだが、PCSにMPPT回路がないと、両面発電パネルで反射光を取り込んでも、電流と電圧のバランスが適切でない場合、発電量が上がらないのだ。

また、両面発電パネルを採用した太陽光発電所では、裏面の反射状況により、太陽光パネルごとの電流と電圧の差が生じやすい。同一ストリング内に電圧の高いパネルと低いパネルが混在すると、ストリング全体の電圧が低下してしまうが、「マルチMPPT回路があれば、こうした事態を過度に恐れる必要はない」(同社の担当者)のである。