デジタル×パワエレで脱炭素実現へ

ファーウェイ、蓄電設備で世界を狙う

徹底した効率向上

蓄電容量2064kWhの大型産業用蓄電設備『LUNA2000-2.0MWH-1H0/2H0』

産業用蓄電設備も注目の製品だ。最大直流電圧1500V、蓄電容量2064kWhの蓄電池と出力200kWのPCSによる大型機、『LUNA2000−2.0MWH−1H0/2H0』である。これは系統用や発電所併設用に使用できるほか、自家消費用としても機能するはずだ。

というのも、同社は蓄電池の利用効率を徹底して高めた。蓄電池ユニットは容量2064kWhの20フィートコンテナ1単位だが、コンテナ内で蓄電池を細分化し、個別に制御する仕組みを導入した。セル16枚直列接続の蓄電池パックにはBMU(蓄電池管理制御装置)1台搭載し、蓄電池パック21個で構成した蓄電池ラックにはDC/DCコンバータを内蔵、各々で充放電を最適化したのである。つまり、充放電ロスを減らしつつ、新しい蓄電池と古い蓄電池を併用できるようにして利用効率を高め、コスト低減を実現したわけだ。

さらに同社は、コンテナ内に空調機6台設置し、内部の温度差を3℃未満に保つことで蓄電池の寿命を15年以上に延長させた。同時にクラウドBMS(バッテリー管理システム)のAI(人工知能)機能を活用してリチウムメッキ現象などによる内部短絡の自動検出保護や火災リスクを予知する機能も入れ、安全性を高めている。