高稼働率で事業化を後押し!

EPC企業を惹きつけるファーウェイの蓄電設備

鍵を握る高稼働率

こうしたファーウェイの大型蓄電設備に対して、髙橋社長は「蓄電池の個別制御や個別空調式を導入するなどの放熱設計といった設計思想に共感しました」と話す。というのも、蓄電設備の普及が本格化するうえでは高い稼働率が鍵を握ると考えているからだ。

「今後蓄電設備は市場取引を含む多様な用途に活用されることから、安定運用が強く求められるはずです。運転を安定的に継続するためには、蓄電池の熱対策は重要な要素であり、ファーウェイの設計思想はその潮流に合致していると思います」(髙橋社長)。

事実、ファーウェイの大型蓄電設備は、先述の蓄電池の個別制御や個別空調式の導入に加え、AI(人工知能)技術を活用した内部短絡の自動検出保護機能や火災リスクの予知機能などが搭載されたことによって、安全性や信頼性を向上させた。さらに、コンテナ内部の状態を遠隔でも3Dで可視化した形で確認できるうえ、蓄電池を細分化していることから万が一の故障時にも交換による影響を最小限にとどめられるなど、O&M(管理・保守)業務の効率化も実現。これらデジタル技術とパワエレ技術の融合によって蓄電設備の稼働率は99.9%に達するという。

オルテナジーは今後、PPA事業やEPC事業で蓄電設備の提案を強めていく方針だ。向こう2年で産業用蓄電設備市場が本格始動すると想定しているようで、髙橋社長は、「大型蓄電設備も中型蓄電設備も製品として申し分ありません。お互いの協力関係を深化させながら新たな市場を開拓していきたいです」と意気込む。

ともあれ、これからの蓄電設備はBCP(事業継続計画)対策やピークカット、ピークシフトにとどまらず、自家消費率向上や脱炭素化、卸市場価格に合わせた充放電制御を行うアービトラージ(裁定取引)など、市場取引を目的にする機会が増えるはずだ。いずれも収益性を含めた導入効果を最大化するためには安定稼働が欠かせない。ファーウェイの蓄電設備が選ばれる理由の一つと言えそうだ。

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