出力600W超!

トリナ・ソーラーがVertexシリーズ〝第二世代〟を堂々発表

トリナ・ソーラーが2020年7月に、出力550Wと600W超の新型太陽光パネルを発表。8月には660Wの超高出力パネルも発表した。

左:新パネルはテュフラインランドの 信頼性試験にも合格している 右:8月には中国の展示会SNEC2020で出力660Wの超高出力パネルを発表した

トリナ・ソーラーが新製品を市場に投入する。20年2月に発表したばかりの出力500W超の高出力太陽光パネル『Vertex(バーテックス)シリーズ』の〝第二世代〟だ。まずは、裏面発電で最大25%の発電量増加を見込める両面ガラス構造の両面発電の550Wとコストパフォーマンスに優れたバックシートタイプの555W品を売り出す。すでに受注を開始しており、日本へは20年内にも出荷する予定だ。2021年には、両面発電両面ガラスタイプの600W、バックシートタイプの605Wの発売開始も控えている。

同社は、Vertexシリーズで半導体最大級の大型シリコンウエハを初めて採用した。セルを210㎜へ大型化することによって、出力を大幅に高めた。

シリコンインゴットからウエハを切り出す加工では、従来のレザー切断ではなく、表面を滑らかに切る新装置を用いたダメージレス切断を導入。この『NDノンディストラクティブ』と呼ばれる新たな切断技術で、マイクロクラックを最小限に抑え、信頼性を高めた。

さらに、高出力化を狙って、自社特許技術のマルチバスバーを活用したほか、独自に編み出したセル間の隙間を狭める高密度接合技術を導入。生産性向上の観点から、セルを一部重ねてセル間の隙間を埋める手法を敢えて用いなかった。

そして生み出したのが、出力500Wを超える新型太陽光パネル、Vertexシリーズだ。従来品からそれぞれセルの枚数を増やすことでさらなる高出力化を実現、全製品とも変換効率21%以上と業界トップクラスである。

同社は、当面この210㎜セル搭載品を主力製品に据える。8月には210㎜セルの年産能力を10GW増強すると発表。21年末までにセルの年産能力を26GWまで引き上げ、太陽光パネル総生産量の70%を210㎜セル搭載品にする計画を打ち出した。