EPCからアグリゲーションまで

日本エネルギー総合システム 太陽光発電所開発で全国展開

大手エネルギー会社や、全国の施工会社と協業

香川県高松市にある日本エネルギー総合システムとRE100電力の各本社外観

黒淵社長の言葉通り、同社は非FIT関連事業を本格化させている。北海道と沖縄を除く全国で年間100MW以上の太陽光発電所を開発する目標を掲げ、企業との協業を進めている。

そこでまず、大手エネルギー会社と連携した。21年に東京センチュリーと、22年には大阪ガスとそれぞれ提携し、共同でSPC(特別目的会社)を設立、そのSPCに太陽光発電所を販売する。現在、営農用太陽光発電所のみを対象とするSPCの設立も進めている。

さらに、同社は施工会社との連携を強化している。この理由について、黒淵社長は、「全国へ展開するには、土地の開発から発電所の建設まで知見を持つ全国の施工会社さんとの協力が不可欠です」と述べる。同社は施工会社が開発した太陽光発電所をSPCで購入することで、施工会社が継続して発電所開発に専念できるよう配慮する考えである。

もっとも、大手エネルギー会社が非FIT太陽光発電所のアセット保有に動くなか、施工会社への太陽光発電所の建設依頼が増えつつあるが、建設費低減の圧力が強く、二の足を踏む施工会社が多い。同社はこの実態を把握しているだけに、黒淵社長は「当社は、施工会社さんの利益に配慮した価格帯で依頼します。我々が設備を安価に支給するといった支援も進めていきます」としている。

同社は、SPCを通じて太陽光発電所を購入するほか、太陽光発電所が生み出す再エネ電力のアグリゲーションや再エネ電力の買取りも行う。これによって、FIP(フィード・イン・プレミアム制度)の活用を含めた非FIT太陽光発電所の保有や電力調達を求める企業の依頼に、施工会社が応えられるように対応する構えだ。つまり、施工会社が同社と提携すれば、投資家への太陽光発電所の販売や、地元企業へのPPA(電力売買契約)のほか、自己託送の支援まで可能になるわけだ。

一方で、同社はこのほど、FIPを活用した蓄電設備併設型の低圧太陽光発電所の販売を始めた。さらには自社ブランドの蓄電設備を発売し、蓄電所の開発も進めている。同社から目が離せなくなってきた。

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